油絵の技法の歴史!フランドル派からルーベンス派まで解説します!

どうもこんにちは!画家の岡部遼太郎と言います。

アクリル絵の具で描く絵画作品

皆さんは油絵の具を使って絵を描くことってどのくらいありますか?

僕は美大受験の際に、油画科を受けたので結構使う機会が多かったです。

 

油絵の具の歴史は古く、油彩画の技術が確立されたのは15世紀というのが通説なので、現代から数えて600年ほどの歴史があると言えます。

 

先人たちはこの600年の間に多くの研究を重ねて、たくさんの名画を残してきました。

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その数は計り知れませんが、その歴史の時期によって扱われる技法も異なり、流行り廃りがありました。

 

国立新美術館などは時代別に常設展示がしてあるので、時代による技法の流れが分かりやすく、見てみる事をおススメします。

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今回の記事では長い歴史を持つ油絵の具の主な技法を、一覧にして紹介していきたいと思います。

油彩画の技術に興味がある方は是非見てみて下さいね!

西洋美術の歴史からみた技法の流れ

油絵の歴史は600年ほどあると書きました。

それ以前は「テンペラ」という卵を使った技法が一般的だったんですね。

 

15世紀に油絵の具の技法が確立されましたが、ずっと同じ技法が使われ続けているのではなく、時代によって変化が繰り返されてきました。

その時代によって先人たちの残した技術を見直し、高め、別の新しい技法がその都度作られてきたんですね。

 

ここではそんな技法の変化を歴史順に見ていきたいと思います。

フランドル技法

最も初期の15世紀に確立された油彩画の技法が「フランドル技法」です。
このフランドル技法はファン・アイクという画家によって生み出されました。

 

フランドル技法は一番初めに白い下地を塗ってから描き始められます。
この下地は「白亜地」という下地で吸収性のものです。

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そしてその白い下地の上から、下絵を線で写していきます。

フランドル技法の絵は、非常に下絵が精密に描かれることが多く、ほとんど描き始めてから構図などの計画が変更されるような事はなかったようです。

 

そして下絵を写した後に、油性分を含んだテンペラ絵の具と油絵の具の透明な絵の具で描き進められました。

またフランドル時代の絵は明るい部分を、絵の具の白をあまり使って描いていませんでした(ハイライトなどには使っていたと思う)。
さきほど書いた下地の白亜地を残して、その部分を明るさとして表現していたんです。

 

また、明るさの部分に絵の具の白(シルバーホワイトと呼ばれる)をつかうと、時間の経過で黄色くなってしまいがちなのですが、フランドル派の明るさは下地の白が活かされているので非常に美しいまま現代に残っています。

 

透明色が多用されることが多かったため、透明感のある美しい絵肌が出来上がっています。

フィレンツェ技法

15世紀末には油絵の具の部分とテンペラ絵の具がパッチのような形で混在する「フィレンツェ技法」が多く見られました。

 

あくまで油絵の具がメインに使われていましたが、テンペラの特徴である明るい表現が油絵の具と同時に用いられたんですね。

また下地は板の上に石膏地が使われることが多かったみたいですよ。

ヴェネツィア技法

 

16世紀に「ヴェネチア技法」が用いられ始め、絵の具の使われ方が大きく変わりました。

 

今では一般的に用いられることの多いキャンバスですが、歴史的に見るとヴェネチア派の時代でようやく使われるようになりました。

ヴェネチアは海軍の強い国で、帆布が大量に生活空間にあったため好んで使われたみたいです。

キャンバスが流通することで、非常に絵が大きい場合でもロール状にして丸めて運ぶことが出来るようにもなったんです。

 

さらに油絵は、それまで使われていたテンペラ画やフレスコ画よりも湿気に強かったので、壁面に描かれていた大きな絵はキャンバスの上に描かれるようになりました。

 

また下地には油絵の具が使われ、その色味は赤褐色である場合が多かったです。

先ほどまでと違い明るさの部分に白の絵の具である「シルバーホワイト」が使われ始めました。

 

これにより制作過程も大きく変わり、途中で白を重ねて修正することが可能になりました。
自由な色使いができるようになったんですね。

 

しかしながら、シルバーホワイトという絵の具は時間経過と共に透明になっていく性質を持っているため、この時代の絵は下地の赤褐色が透けて、絵が暗くなってしまっている場合が多いようです。

 

当時の画家達の絵は茶色っぽくなってしまっている場合が多いのですが、本当は青や緑などはもっと鮮やかだったと思われます(もちろんニスのせいで茶色くなってしまっている場合も多いですが)。

ルーベンス技法

17世紀になるとルーベンスという巨匠が登場します。

ルーベンスは先ほどのようなヴェネチア派の技法で描かれた作品が茶色く、暗く変色してしまっているという事に気付きました。

 

そこで彼は下地を茶系の色を使うのではなく、明るいグレーや黄色を用いて描きました。

変色するからといって、時間と労力を必要とするフランドル技法にさかのぼることはできなかったんですね。

 

またルーベンスは大胆な筆使いでも知られています。

明るい下地に、大胆に茶系の薄い絵の具でデッサンをして描き進めていく方法で描かれ、影にはその茶色が利用されました。

 

この方法は短い日数で大量の制作を可能にしたのです。

また支持体にはキャンバス、板の両方が使われていたようです。

 

ほとんど同時代の画家に、ベラスケスレンブラントなども挙げられます。

彼らはルーベンスと違い赤褐色の下地を使っていましたが、ヴェネチア派のように暗い画面にはなっていません。

 

元々の絵を暗くなることを見越して、かなり明るめに描いていたからです。

この教訓はもっと後の時代にも引き継がれており、新古典主義のアングルなども画面をかなり明るく、そして若干青みが買った色で描きました。

 

茶色く変色しないような工夫がより洗練されていったんですね。

まとめ

今回は古典的な絵画の技法が、時代によってどのように変化していったのかということについて書いてみました。

一口に古典絵画といっても、時代によって描き方も違いますし、考え方もかなり変わっていくという事が分かってもらえると思います。

 

今は油絵の具よりも便利なアクリル絵の具がありますが、昔の人たちが残してくれた技術や教訓を無駄にせず、制作に活かしていきたいですね。

ではでは今回はこの辺で!
また別の記事も読んでみて下さいね!

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ABOUTこの記事をかいた人

どうも!絵描きの岡部遼太郎です! 色々なギャラリーや百貨店の画廊などで作品を展示してます。 自分が今まで学んできたことを、絵を観るのが好きな人、絵を描くのが好きな人のために役立てることが出来ればと思っています。 最近は絵画教室の運営に力を入れていて、絵を描くスキルを身に付けたい!絵を描き始めたい!という方をバックアップしています。 よろしくお願いします^^