僕は暑い季節、寒い季節になるとエアコンを付けるのですが、どうも体調的に合っていないのか具合を悪くしてしまいがちです。
夏なら扇風機とか使えば良いのかもしれないですけど、なかなか狭い部屋には厳しい感じが・・。
なので、ちっさい扇風機を探したりしています(笑)。
さてさて、今回の記事では「アングル」というフランスの画家について解説してみようかと思います。
代表作品の「グランド・オダリスク」はきっと教科書なんかで見たことがあるのではないでしょうか?
アングルに興味のある方は是非読んでみて下さい!
アングルのプロフィール
生没年・・・1780年8月29日~1867年1月14日
出身地・・・フランスのモントーバン
作風・・・新古典主義
肩書・・・上院議員
師匠・・・ジャック=ルイ・ダヴィット
アングルってどんな画家だったの?
アングルはフランスの芸術界でトップに君臨した画家と言って過言ではありません。
アカデミーの中心的な存在で、パリ美術学校の教授だったりフランスアカデミーの院長などにも就任していたんです。
レジオンドヌール勲章なども受賞するなど功績も残している人物です。
こう見ると順風満帆に感じますが、アングルが認められ始めたのは遅く、彼が44歳くらいの頃でした。
若いころは苦労していたようです。
21歳の頃にローマ賞を受賞していますが、財政が影響して留学が5年も遅れてしまうなど不運に見舞われていました。
さらにフランスにおいては高い評価を得ることが出来ず、その頃にナポレオンが失脚してしまったので、それも悪い方向に影響しました。
彼の師匠でもあり、ナポレオンに仕えていた画家のダヴィットが、この失脚を原因にして財産を没収され国外に追放されてしまうんですね。
こうした状況を鑑みたアングルは帰国できなかったのです。
そんなこんなでサロンにようやく出品したのが、彼の代表作品でもある「グランド・オダリスク」なのですが、かなり評価は低いものでした。
しかし、ロマン主義画家のドラクロワなどが美術の世界に出てくると、手のひらを返したようにアングルは評価され始めます。
ドラクロワは伝統的なサロンとは正反対の作風です。
この新しく出てきたロマン主義のドラクロワに抵抗するために、伝統を重んじるアングルを評価し始めたんです。
構図で見ると
アングル(古典)VSドラクロワ(新勢力)
みたいなことですね。
この対立はその後30年以上続くことになります。
アングルの異国への憧れで描かれた作品「トルコ風呂」
アングルが活躍した時期は、ナポレオンが帝国拡大のためにエジプトなど遠くの地にも手を出していました。
もちろん侵略される側からしたらたまったものではないですが、フランスの画家達には大きな影響を及ぼしたんです。
エジプトへの遠征によって、象形文字の解析なども始まり北アフリカ、中東などの情報もフランスへ入っていく事になるんですね。
異国の文化や品などは異国趣味を進展させていきます。
こういった動きは画家たちのオリエンタリスムな作風という面でも影響を与えます。
新古典主義、ロマン主義は対立していましたが、どちらの主義にもこうした異国趣味の要素が入っていくんです。
アングルもそうした作風の絵を「グランド・オダリスク」をはじめとして何枚も発表しています。
しかし彼が実際にアフリカ、中東などを訪れたことはありません。
なのであくまでも情報を基にした想像なんですね。
描かれた顔もヨーロッパの人々に近いです。
有名なのはトルコの共同浴場を描いた「トルコ風呂」という作品です。
一方、ロマン主義のドラクロワなどは実際に北アフリカへ旅をして現地の様子を見ていたそうです。
アングルの代表作「グランド・オダリスク」って何?
アングルは古典の作品達から学ぶために15年もの期間イタリアに滞在しています。
彼の作品からは、その時に見たとされるラファエロの作品からの影響が見て取れます。
この作品は「グランド・オダリスク」という絵画です(オダリスクというのはハーレムに仕える女性の事を指します)。
ローマにいる際に描いたもので、ナポリ王紀のカロリーヌからの依頼で描かれました。
しかしナポリ帝政が倒れたので引き取られることはありませんでした。
手元に残ってしまったのでアングルはこの作品を1819年のサロンに出品することにしました。
しかしサロンでは良い評価を受けることができませんでした。
通常より長く背中や右腕が描かれていたのですが、そこが酷評されてしまったんですね。
実はアングルはこの「グランド・オダリスク」で脊椎を三つほど多く描いており、それに合わせて右腕も長く描いていました。
構図を重視してこのように身体をデフォルメしていたのですが、不自然だとして厳しい評価を受けることになったのです。
まとめ
今回の記事ではアングルという新古典主義の代表的な画家を解説してみました。
代表作の「グランド・オダリスク」は非常に有名で色々なメディアで目にすることがあります。
ではでは今回はこの辺で!
また別の記事でお会いしましょう!
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