僕は絵を描く時に使う筆の種類はそんなに多くはありません。
特にこれが無いと描けない!といった筆は無いのですが細い筆はいつも同じものを買っています。
値段も手ごろなのでまとめ買いするのですが、世界堂に置いてあるのを全部レジに持っていくので、同じ筆が欲し人には申し訳ないな、と思っています(笑)。
消耗品なので仕方ないんですけどね・・。
さてさて、今回の記事では「ミレー」という写実主義の巨匠を紹介していこうと思います。
代表作品の「落穂拾い」はきっと皆さんも見覚えのある絵なのでは?と思います!
ミレーについて興味のある方は是非読んでみて下さいね!
ミレーのプロフィール
生没年・・・1814年10月4日ー1875年1月20日
活躍した場所・・・フランスのバビルゾン
作風・・・写実主義
家庭・・・子供が9人、2度の結婚
病気・・・喀血と高熱で死去
師匠・・・ラングロワ
ミレーってどんな画家だったの?
ミレーは評価を得ることに苦労した画家で、周りに認められ始めたのは40代頃くらいからでした。
それまでの生活は大変なものだったそうです。
最初に結婚した妻のポーリーヌは結婚から3年した頃に23歳という若さで亡くなっています。
生活が貧しかったために、元々病弱だった身体が持たなかったらしいんですね。
ミレーはその後、家族を連れてバビルゾンへと移住しました。
パリにいた頃は貧乏ながらも仕事は見つけられましたが、バビルゾンへ移り住むと全く仕事が無くなってしまいます。
絵も売れずに家族とともに貧困にあえいでいました。
そんなミレーを見かねた親友である画家のテオドール・ルソーは、彼の絵を金持ちのアメリカ人が買ったと言い、自分で買うなどして援助もしたそうです。
強い絆で結ばれた彼らは、後に並んだ墓地に埋葬されました。
また、ミレーの作品は評価が高くなるのですが、その原因は政治と強く関わり合ったものでした。
当時、ミレーの絵は労働者や農民からの評価がとても高かったのですが、それをナポレオン3世が利用したんですね。
つまり、ミレーを高く評価すれば農民や労働者から理解ある指導者として認識される、とナポレオン3世は目論んだわけです。
彼は1867年のパリ万博でミレー展を、政府主導の元で開催しました。
このことにより、ミレーの評価はうなぎ登りになりオークションではトップクラスの値段で競り落とされるほどになります。
しかし、こうした政治的な利用のされ方で評価が上がったことにミレーは複雑な心境だったそうです。
バビルゾン派と呼ばれたミレーの風景画達!
「バビルゾン」という場所はパリから50キロほど離れた広大なフォンテーヌブローの森の片隅にあります。
多くの画家が19世紀にこの地を訪れています。
産業革命により鉄道が整備されるなどして交通の便が良くなったからですね。
このバビルゾンで画家活動をした者たちを「バビルゾン派」などと呼んだりします。
有名な画家にテオドール・ルソー、ミレー、ドービニー、コローなどがいます。
彼らは、それまで歴史画や物語画の背景として描かれた風景そのものを主役として風景画を描いたんです。
こうした風景画は後の印象派にも影響を与えています。
また、ミレーがこのバビルゾンへ移ったのは、当時革命や疫病で社会不安が強まっていた都会から家族を守るためでした。
ミレーの代表作品「落穂拾い」とは?
ミレーの代表作品として有名なのが「落穂拾い」です。
刈り終わりの畑で、貧しい農婦が腰をまげて小麦の穂をひろっているシーンが描かれています。
階級としては最も低く貧しい彼女達は、貴重な収入源である穂を懸命に拾っています。
また、遠景には大量の小麦を積み上げる農夫が描かれており、前景で少ない穂を集める大変な労働と対比して描かれています。
ミレーによって描かれたその姿は決して美化されることなく、ありのままにキャンバスに描かれているんです。
貧しいながら懸命に働く彼女達からは崇高さを感じます。
もともと農民画というと牧歌的であったり神話化されたものが多かったのですが、ミレーは非常に強いリアリティを持って描いたというのが特徴的なんですね。
農民の働く姿に共感し、そうした部分から美しさを見出した画家といえます。
また、ミレー自体はこの作品に社会的なメッセージを込めた意図はありませんでしたが、この作品が発表されたとき格差社会を批判するものだとして評価を得るのが難しい状況だったそうです。
こうした農民をテーマにした作品以外にも、ミレーは晩年になると風景画にも力を入れて制作しました。
こうした風景作品は後の印象派の画家達にも影響を与えています。
まとめ
今回の記事では写実主義の画家「ミレー」を代表作品の落穂拾いと共に解説してみました。
ミレーは農民の働く姿に美しさを感じ、崇高なものとして描き上げた画家です。
ではでは今回はこの辺で!
また別の記事でお会いしましょう!
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