「うーん、描き終わらない、描き終わらない・・・上手くもならないしどうしよう・・・」
その頃の僕は美術予備校生。
芸術大学の入試試験の前に悪夢でうなされていました。
僕が本格的に絵を勉強しだしたのは高校生からでした。
描いても描いても絵が上手くならない毎日。
それまで自分はデッサンすらしたこともなく、周りの人達は美術部や芸術系高校に通っている上手な人ばかり。
当時の僕はトップレベルのヘタクソだったと思います。
美術予備校に行った初めの頃は、デッサンに使う鉛筆すら上手く削れない有り様でした。
だけどどうしても絵が上手くなりたかった。絵を上達させて、絵描きとして生きていきたかったんです。
なぜなら絵を描くことが何より好きだったから。
僕は、その頃から今まで10年近く絵を描き続けてきました。
そして、
・絵に描く道具はどんなものがあるのか ・デッサンはどう勉強するべきか ・デッサンはなぜやったほうが良いのか ・色使いはどうすれば上手くなるのか ・頭の中のイメージはどうすれば描けるのか ・自分はどういう絵を描いていくべきなのか ・どうすれば人に絵を観てもらえるのか ・僕の絵は周りの人達に認めてもらえるのか
ここでは書ききれないほど沢山の事に悩み、考え、実践してきました。
その中で多くの知識や、技術を磨くことが出来ました。
そんな中で学んだ事を少し書いてみようかと思います。
絵の具の使い方を覚えよう!
世の中には色々な画材があります。
・水彩絵の具 ・アクリル絵の具 ・色鉛筆 ・油絵の具 ・パステル ・岩絵の具 ・ペン
などなど挙げればキリが無いです。
僕はと言えば高校生の頃、油絵の具を使って絵を描いていました。
それまで水彩絵の具くらいしか使ったことのない僕にとって、とても楽しい絵の具だったんです。
乾燥するのが遅い絵の具なので、グラデーションやボカシなどが簡単に出来て面白かったです。
しかし、画材を変えただけで簡単に絵は上手く描けるようにはなりません(笑)。
乾燥が遅いと制作のスピードは落ちますし、乾燥してない絵の具同士が混ざって汚くなってしまうこともありました。
絵が上手くなるためにはある程度枚数を描くことは大事ですし、学び始めの自分には相性が悪いというのもあったかもしれません。
もっと自分に合った絵の具があるのでは・・・。
そして悩んだ挙句、僕は「アクリル絵の具」を使ってみる事にしました。
アクリル絵の具は
・乾燥が速い(5分~10分で乾く。油絵の具は2日、3日かかる) ・重ね塗りが簡単 ・色が濁らない ・耐久性が高い ・油絵の技法や水彩の技法まで対応できる
といった特徴のある絵の具です。
最初は結構戸惑いました。
乾燥が速すぎて、ぼかしやグラデーションが作りにくかったりしたんです。
いままで気長に油絵の具で描いてましたからその違いは大きかったですね。
3日間の乾燥待ち時間が、10分の待ち時間に短縮されたんですから(笑)。
そして勉強していく中で、
・油絵の具で使われた古典絵画の技法を、アクリル絵の具で再現する方法
・アクリル絵の具と他の油絵の具などと併用する方法
など沢山の技術や知識を習得しました。
自分なりの技法や絵の具の使い方を研究するのはとても楽しかったです。
もちろん今でもより良い絵を描くために毎日あたらしい技術を勉強しています。
絵が上達する人としない人の違い
「絵が上達する人としない人の違いは何なのか?」
このことについても触れてみます。
絵を描き始めるのはきっと絵を描くのが好きだからだと思います。
誰でもスタートはそこにあると思います。僕ももちろんそうでした。
絵を描いている時間、真っ白なキャンバスに絵の具を乗せる瞬間はとても楽しいものです。
しかし、絵を描き続けるからには、
「上手くなりたい」
「良い絵が描けるようになりたい」
そういった目標や欲が出てきます。
これは非常に大事な事です。
しかしすべての人が上手くなるわけではありませんよね?
何年も描いているのに上達しない人がいれば、グングン画力を伸ばす人もいます。
長年絵を描く人たちを観てきてこの違いを生む大きなポイントがあることに気が付きました。
それは簡単に言うと
「自分はこういう絵が描きたい」
という目標の絵描きがいるかどうか。そして、
「その絵描きと自分を比較して、足りない部分(技術や知識)が何なのか。」
ということをしっかり分析しているかどうか、という点だと思います。
もちろんこれだけで語れるほど単純な事ではありませんが、重要な要素の1つであることは間違いないかと思います。
こういう事を言うと、
「人と作風が似てしまう」
「オリジナリティが無くなってしまう」
と言う方もいますが、最低限の技術もないのに、「オリジナリティ」や「個性」がどうこう言っても人は絵を観てくれることは無いと思います。
お手本になる絵描きを設定することが出来れば、
1・目標の絵描きを設定する。
↓
2・真似する。
↓
3・自分に足りない部分、問題点を確認、検証する。
↓
4・その部分を改善する。(また真似をする)
というプロセスを作ることが出来て、それをループさせることで次々と問題点を発見して改善していくことが出来ます。
「効率のいい努力」をする構造を作ることがでるということです。
逆にこうした構造を無しに、永遠と描き続けてもなかなか変化は無いのではないかと思います。
僕も絵を描き始めた頃は楽しくてそれだけで満足でしたが、目標を設定して問題点を改善していく事で、どんどん上手くなれた気がします。
今の歴史に名前を残しているような画家も、それ以前の画家の絵をひたすら模写をしたりしています。
どの時代でも変わらない優秀な学習方法だと思いますよ。
デッサンはやるべき?
よく見かけるのが
「デッサンはちゃんとできないと駄目だ」
とか
「デッサンは何より大事だ。完璧にできてから自分の表現を探せ!」
とかいう謳い文句。
実際絵を勉強し始める人はデッサンをきちんとやらなきゃと思っている人はかなり多いのではないでしょうか?
もちろんデッサンは大事です。
なぜ大事なのかと言えば
絵を描く上で知っておくべき重要な要素が沢山詰まっているからです。
例えば
・形の取り方
・構図の取り方
・基本的な画材の扱い方
・観察力を付ける
・明暗の構成
などなど、絵を描くために最低限必要な知識や考え方を学ぶ事ができます。
では何故こういったことを学ぶのでしょうか?
それは当然、「自分の作品」を制作するためですよね?
自分の作品のためのデッサン力が必要になってくるわけです。
しかし中には「デッサンが完璧に出来ないといけない」と思い込んでそればかりに時間を費やす人もいます。
それはもったいないことだと思うんです。
僕がおススメするのは、「デッサンだけやる」のでもなく「自分が出来る表現だけやる」というのでもなく、どちらも交互にやっていくという進め方です。
そうすることで、基本的な絵の技術も高めながら、自分の作品を作る努力も並行して行えます。
どちらもとても大事な事だとおもいますよ!
まとめ
今回は絵を上達させる考え方や、方法について自分の経験を振り返りながら書いてみました。
絵を上達させるために出来ることは沢山ありますし、人によって違うと思います。
しかしどんな方法だろうが、努力は必要だと思います。
もしこの記事が少しでも努力の参考になれば幸いです。
ではでは今回はこの辺で!
また別の記事でお会いしましょう!
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