皆さんは絵を描く時ってどんな支持体(紙やキャンバスなどの絵の具を乗せる素材)の上に描いているのでしょうか?
おそらく人によって結構変わってくる部分なのではないかと思います。
こうした支持体の選択は結構重要な要素だと思います。
なぜなら使う絵の具に何を選択するかによって、支持体の向き不向きがあったりするからです。
そして何よりも、あなたがどんなものを、どんなふうに描きたいのかという問題にも繋がっていくからなんですね。
そして自分の行いたい表現に対して適切な支持体を選ぶというのは、絵の具を乗せ始めるより前に考えなくてはいけないことことです。
自分にあった支持体でないと上手くいかなくてストレスも溜まってしまいますし・・(笑)
今回はそんな支持体についての解説を
・キャンバス
・紙
・木製パネル
の代表的な支持体である3つに絞って解説していきます!
上手く画材を使いこなせない・・という方は是非目を通してみて下さいね!
あわせて読みたいアクリル絵の具の使い方解説↓
目次
キャンバスはどんな絵の具や使い方に合っている?
キャンバスは油絵を描く人にとって、かなりポピュラーな支持体ではないでしょうか。
しかし初心者の方はいかにも絵画のための材料!って感じでとっつきづらい部分もあるかと思うんです。(僕はそうでした)
そんなキャンバスについて要点をいくつかにまとめて紹介していければと思います。
キャンバスは下地によって特性あるので注意!
言わずもがなですがキャンバスは布地で作られています。
なので下地等の処理をしないと布に染み込んでしまいますし、けっこう凸凹しています。
ありがたいことに現在画材屋さんで売られているキャンバスはほとんどが下地処理済みの状態です。
この下地には大きくざっくりと分けると以下の3種類の種類があります。
・水性下地・・・この3種類の下地の中で一番吸収力が高い下地です。油絵に使う場合は油分を吸収しすぎて亀裂の原因になりやすいです。あまり厚塗りしすぎなければ大丈夫です。
・エマルジョン(アクリル系)下地・・・水性と油性の中間のような存在です。油絵にも使えますしアクリル絵の具などの水性絵の具にも使えます。
・油性下地・・・油性の下地が塗ってあるので、水性の絵の具は乗せられません。乗せても後に剥がれるので油絵の具のための下地と考えてOKです。
この中で画材屋さん(世界堂とか)で最も多く流通しているのはエマルジョン地だと思います。
エマルジョン地は水性絵の具にも油性絵の具にも対応しており非常に使いやすいと思います。
選ぶのに困ったらとりあえずこれを買っておきましょう。
細かい目から荒い目まで種類があるよ
キャンバスは荒目、中目、細目の大体3種類に目の粗さが分けられます。
あまりキャンバスを使ったことのない方は中目を選ぶ事をオススメします。
ある程度目が邪魔にならず細かく描け、ツルツルすぎて絵の具が乗せづらいということも無いかと思います。
もしもっと細かく描きたいからツルツルにしたいという方は「ジェッソ」などの下地材を重ねてツルツルにするという方法もあります。
もしくは最初から目のない板(パネル)に描くという方法もあります。これについては後に説明します。
紙はどんな使い方、描き方に合っている?
多分、紙に絵を描いたことが無い!という方はいないのではないでしょうか?それほど普段から身近で画材にもなりえる材料だと言えます。
紙はとても吸収性が高く水彩絵の具などとの相性が抜群です。
にじみなどの効果を期待出来て、使っていて楽しい材料だと思います。
そんなメジャーな紙を使う際のポイントや注意点を下に書いていきますね。
水性の絵の具を乗せよう
基本的に紙の上には水性絵の具を使いましょう。アクリル絵の具や水彩絵の具ですね。
紙の上に油絵の具を使うのは基本的にオススメできません。
理由は2つあります。
・紙は基本的にキャンバスなどより弱く、油絵の具が固まった後の強さに負けてしまいボロボロになりやすいから。
・紙は吸収率が高く、油絵の具の油分を吸ってしまい油絵の具の耐久を下げ、発色も奪ってしまうから。
この2点が個人的に油絵の具の支持体に紙を使うべきでないと考えている理由です。
ただ油絵の具を紙の上につかって残っている昔の絵もあるので一概にダメとは言えません。
厚みがあり丈夫な紙で、なおかつ吸収を抑えるために膠などを引けば使えるとは思います。
ただ難易度は高いので初心者が選ぶべき選択ではないかもしれません・・・。
無酸紙を使おう
作品の保存性のことを考えると紙の種類も重要になると思います。
紙の性質は大体以下の
・酸性紙
・中性紙
・無酸紙
の3つに区別されるんですね。
この中で一番絵の保存性という観点で水彩紙に向いているのは無酸紙です。
おそらく皆さんも長年保管している本が茶色く変色しているのを見たことがあると思います。
これは酸性紙の性質によるものです。
酸性紙には「リグニン」という物質が含まれています。
このリグニンが紫外線と科学変化を起こすことによって紙は変色してしまうんです。
このことから長期保存を考えて一番酸性の低い無酸紙を使う事をおすすめします。
紙を買う時に製品に表記が無い時は店員さんに聞いてから買うと良いかもですね。
木製パネル
絵をかくときにオススメできる素材として木製パネルも挙げられます。
木製パネルはとても平滑なので細密な描写を行う場合に便利な支持体と言えるでしょう。
そんな木製パネルについてもポイントを少し書いてみようと思います。
基本的にどんな絵の具にも使える
木製パネルに使われている板は合板ですので反ったりしにくく絵を描くのに向いていると言えます。
油絵の具を乗せる際は油を吸収しすぎてしまうと、ひび割れや発色が悪くなる原因になりやすいので下地処理をすると良いと思います。
ジェッソを塗るのが一番簡単で程よい吸収性(半吸収性下地)を得られる手段だと思うのでおすすめです。
油性の下地(非吸収性下地)を作る場合はファンデーションホワイトなどの下地用油絵の具を使うと簡単で良いと思います。
シナベニヤのパネルを使おう
木製パネルは大体
・ラワンベニヤ
・シナベニヤ
の2つに分けることが出来ます。
絵を描く際には、ラワンベニヤではなく、シナベニヤを使いましょう。
ラワンベニヤは時間が経過すると茶色い灰汁が出てきて絵の色味が変わってしまうことがあるからです。
シナベニヤならそういった心配をすることなく使えますよ!
まとめ
今回は絵を描く際に使われる頻度の高い3つの支持体について、重要かなと思うポイントに絞って書いてみました。
支持体選びも色々試さないと自分にあったものは見つけられないかと思うので色々実験してみると良いと思います。
是非今回の記事を活用してみて下さい!
ではでは今回はこの辺で失礼します!
また別の記事でお会いしましょう!
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