今回は、
「アクリル画の支持体別の描き心地を解説」
というテーマでお話ししていこうと思います。
支持体というのは絵の具を乗せるキャンバスや
紙などの画材のことです。
そしてこれはいまだに僕にくる質問でも
多い部分で、
「何にアクリルで描いていけば良いのか?」
という部分の話ですね。
基本的にアクリル絵の具は色々なものに描ける
ので自由な部分が多い画材だと思います。
その反面初心者が描き始めようとした時に
「一体何に描けば良いの?」と迷ってしまう
こともあるようです。
結論から言うと
・キャンバス
・紙
・板(木製パネル)
この3つが主に絵を描く上で使いやすい
支持体になります。
今回は3つのそれぞれの描き心地や違いなどが
分かるように説明していこうと思っています。
これから描き始めたい人や、
描いているけどいつも同じ支持体に描いていて
他の支持体についても知りたいという方は
是非聞いてみてください。
絵を描く幅がグンと拡がると思いますよ。
では早速始めていきましょう。
目次
アクリル画の支持体①キャンバス
まずはキャンバスですね。
これはかなり一般的な支持体ですよね。
といっても紙などよりはいかにも絵画って
感じがして本格的なイメージがあるかも
しれません。
キャンバスの利点はいくつかありますが、
①テクスチャが独特
②軽くて木枠から外せる
この2つは使っていて特に感じるメリット
と言えると思います。
https://youtu.be/Oesx2xcyTDo”]
まず①の「テクスチャが独特」というメリット
ですが、
キャンバスは布でできています。
と言うことは布地の質感があるんですね。
少しボコボコした感じです。
これによって絵の具を乗せた時にかすれたり
下から少し浮き上がって面白い質感に
なりやすいです。
キャンバスに描くと割と簡単に絵画っぽく
なるので、
今まで紙でしか描いたことがない!と言う人は
試しに使ってみても良いかもしれません。
2つ目の「軽くて木枠から外せる」というのも
大きなメリットです。
普通キャンバスは木枠に布が貼られた状態で
描くことが多いです(海外だと外して描く人も
多いですが)。
この場合木枠の重さがありますが、
木枠から布を外すことで布だけの状態に
できるので非常に持ち運びがしやすく
なります。
なので布だけ丸めて持ち運べば簡単に
旅行先に持っていったりすることも
可能だと言うことですね。
木枠に布を貼るときはガンタッカーという
大きなホッチキスを使うと簡単に貼り直せ
ますよ。
アクリル画の支持体②紙
2つ目の支持体が紙ですね。
紙は何よりも安価で手に入りやすく
非常に使いやすいのが特徴です。
そしてそれだけでなく
・何枚も持ち運び可能
・水彩風の表現が簡単にできる
このようなメリットがあります。
まず最初の「何枚も持ち運び可能」というのは
紙における最大のメリットと言えますね。
スケッチに行く時にキャンバスや板を持って
歩くのはかなり大変です。
しかし紙であればスケッチブックに何枚も
描けるので非常に利便性が高いですね。
僕の場合スケッチの時はブロック水彩紙
と言うものを持ち歩きます。
これは水彩画が四隅を接着された
状態で重ねられているアイテムです。
これを使うと水張り等をしなくても
水を使った時に紙がよれないので便利です。
普通のスケッチブックだと水を使うと
紙が波立ってしまいますからね。
2つ目のメリットがアクリル絵の具でも
水彩風の表現ができると言う部分です。
紙はキャンバスや板と比べて吸水性が
高いので非常に水彩的な表現に向いています。
水彩のように大量の水で溶いたり、
紙を濡らして描くことでにじみの表現なども
できます。
なので水彩っぽく描きたい、と言う人は
紙に工夫しながら描くと良いと思います。
アクリル画の支持体③板(木製パネル)
次が板(木製パネル)ですね。
僕は基本的に板に描くことが多いです。
これには明確に2つのメリットがあるからです。
それが、
・表面がフラットなので繊細に描ける
・耐久度が高い
この2つのメリットです。
まず1つ目の理由として繊細に描きやすい
と言う部分があります。
これはかなり大きい理由ですね。
というのもキャンバスなどだとどうしても
布目があるのでデコボコした表面になりやすく
細かいディティールを描く時に邪魔になりがち
です。
その反面、板に描くとフラットなので
細かい部分を描く時も楽だったりします。
キャンバスでも下地材を塗り重ねて
ヤスリで磨けばフラットな表面になりますが、
時間をかけるのであれば最初から板等に
描くほうが楽ですね。
2つめが「耐久度が高い」と言う部分です。
紙やキャンバスにない耐久度が板には
あります。
割と荒い描き方をしてもビクともしませんし
保存する時に曲がってしまったりすることも
ないです。
こうした部分も木製パネルの利点と
言えますね。
結局どれを選べば良い?
中には「結局どれを選べば良いの?」と
思う方もいるかもしれません。
結論としては、
「手軽に始めたい人」→紙
「絵画っぽく描いてみたい」→キャンバス
「繊細に緻密に描きたい」→板(木製パネル)
と言う感じで目的や希望別に選んでいけば
良いと思います。
紙なら手軽に描けるメリットがあります。
キャンバスであれば絵画っぽく描けますし、
木製パネルなら繊細な表現がしやすいです。
これはどれが正解というのではなく
自分の表現の方向性で決めるべきかなと
いう感じですね。
なのでまずは自分の描きたいイメージを
固めてみてください。
ガラスや金属にアクリル絵の具を使う
さて、ここまでで
支持体についてタイプ別に解説してきました。
どんな絵でも紙、キャンバス、板の
3つから選べばある程度対応できるので
安心だと思います(あとは腕次第)。
ここからはこの内容を少し掘り下げて
特殊な支持体に描く時の解説もしておこう
と思います。
それが、
ガラスや金属などの支持体ですね。
アクリル絵の具のメリットとして
色々な支持体にかけるという部分が
挙げられます。
しかし少しコツも必要です。
必要な専用画材がある感じです。
金属やガラスに描く場合はプライマーを使う
で、少し特殊な支持体に描く場合は
プライマーという支持体を使うことをオススメ
します。
プライマーを塗っておくことで定着が
良くなるからですね。
個人的にはホルベインのアクリル用
プライマーが使いやすくてオススメです。
これを塗るだけで、
・鉄
・アルミ
・真鍮
・トタン
・ブリキ
・銅
・ステンレス
・エポキシ
・PET
・ABS
・ガラス
・陶磁器
・タイル
などにアクリル絵の具を乗せることが
できるようになります。
窓ガラスに絵を描いたり、
色々なオブジェを作る時にもアクリル絵の具が
非常に活躍できるようになりますよ。
注意点としては支持体の表面がボロボロに
なっていないことですね。
表面が弱っているとプライマーを塗っても
絵の具が剥がれることがあるからです。
まとめ
さて、今回は前半でアクリル画を描くときの
・キャンバス
・紙
・板(木製パネル)
のメリットや違いを解説しました。
後半ではさらに特殊な素材に絵を描くときの
コツもお話ししました。
これからアクリル画を楽しく描いていく助けに
なれば嬉しいです。
では今回はここまで。
今日も元気に頑張っていきましょう!
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