僕は普段アクリル絵の具という絵の具を使って絵を描いています。
絵を描いている方でも最近はアクリル絵の具を使う人は結構多い気がします。
絵に使える材料って結構沢山ありますし、どれが正解とかはないですから使いやすいものを選ぶのが良いと思います。
以前「テンペラ画とは一体何なの?描き方や歴史を分かりやすく解説!」という記事でテンペラ画について解説しました。
僕も実際テンペラを使って絵を描いたことがあるのですが、とても楽しかったです。
金箔を貼ったりとかもしたので結構ドキドキしましたね。
金箔は息で簡単に飛んで行ってしまうので結構怖いんですよ(笑)。
今回の記事ではそんなテンペラ画と同じく、昔に使われていた技法を紹介してみようと思います。
その名も「フレスコ画」です。
このフレスコ画について
・どんな作品があるのか
・どんな技法なのか
ということを解説していきます。
フレスコ画に興味がある方は是非読んでみて下さいね!
目次
フレスコ画の歴史ってどんなもの?
フレスコ画が発明されて使われるようになったのは13世紀末で、トスカナ地方で誕生しました。
もっとも流行った黄金期は14世紀~16世紀ですね。
15世紀に油絵がファンエイクらによって開発されたことで、徐々に使われなくなっていきました。
関連記事→油絵の技法の歴史!フランドル派からルーベンス派まで解説します!
テンペラ画もこのあたりで見かけなくなっていきますが、やっぱり油絵の具というのは、もの凄い発明だったんだなと思います。
ファンエイクは偉大ですねー。
後で技法を説明する際に細かく書きますが、このフレスコ画というのは簡単に言ってしまうと「壁画」なんですね。
壁の中の炭酸カルシウムの性質を使って顔料を定着させるんです。
炭酸カルシウムは水に溶けないんで、とても強い耐性があるんです。
先ほどフレスコ画は13世紀末に開発されたと描きましたが、大きな視点で見ると、実ははるか以前にも同じような原理で描かれていました。
ラスコーの壁画などですね。
洞窟の中の壁に描かれているアレです。教科書などで見たことがあるのではないでしょうか?
これは15000年前というはるか以前に描かれたものです。
13世紀なんて最近の事に思えてしまうレベルで昔ですね(笑)。
これほど昔に描かれているのにもかかわらず現在も残っているのは、フレスコ画と同じく炭酸カルシウムが保存性を強化しているからだと言えます。
フレスコ画にはどんな有名作品があるの?
ここではどんな人たちがどんな作品を残してきたのかを、実際に見ていこうと思いますよ。
ラファエロ
ラファエロ・サンティ(1483年4月6日 – 1520年4月6日)
ラファエロは盛期ルネサンスでもトップレベルの技術を持った画家です。
レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロと共にルネサンスの三大巨匠と呼ばれています。
彼は37歳で亡くなってしまいましたが、持っていた工房の規模が非常に大きく、その人生の短さとは裏腹に膨大な作品をこの世に残しました。
ミケランジェロ
ミケランジェロ・シモーニ(1475年3月6日 – 1564年2月18日)
ミケランジェロは先ほどのラファエロと同じく盛期ルネサンスを代表する画家です。
レオナルド・ダ・ヴィンチのように「万能の人」と呼ばれることが多いです。絵画、彫刻、建築などあらゆる分野で芸術家としての才能を証明しました。
フレスコ画の『システィーナ礼拝堂天井画』、『最後の審判』は後の西洋美術史に大きな影響を残しました。
フレスコ画はどんな技法で描かれているの?
フレスコ画は先ほども書いたように壁画の技法です。
そしてフレスコ画には3つの描き方があります。
ここではその3つの技法を解説していきます。
フレスコ(ブオン・フレスコ)
もっとも一般的なフレスコ画の技法です。
石灰と砂をまぜた「モルタル」を壁に塗り、乾燥していないうちに顔料を水だけで溶き、色を乗せていきます。
普通の絵の具というのは、顔料に糊となる材料を混ぜてから使います。
例えば、
・油絵の具は、顔料+乾性油
・水彩絵の具は、顔料+アラビアゴム
・岩絵の具は、顔料+膠
のような感じで、顔料を固着させるための材料を混ぜるんです。
顔料に水などを混ぜて乗せても、乾燥後には粉だけが残って落ちてしまうからです。
しかしフレスコ画は基本的に糊になる材料を入れません。
ではなぜ顔料が落ちてしまわないのでしょうか?
それは乾燥していない石灰が顔料に被さり、その上で空気中の二酸化炭素と反応が起こり結晶化することで非常に頑丈な塗膜を形成するからなんです。
フレスコ・ア・セッコ
この「フレスコ・ア・セッコ」という技法は先ほどの一般的なフレスコ技法と違い、一度乾燥した石灰面に描いていく技法です。
まず乾燥した石灰面を水で濡らしておきます。
その後に顔料に石灰を糊として含ませ、絵の具として使います。
一般的なフレスコ技法が糊(バインダー)を入れないのに対して、こちらは糊の役割になる材料を混ぜてから描いていくんですね。
メッゾ・フレスコ
この「メッゾ・フレスコ」という技法は先ほど紹介した
ブオン・フレスコ(一般的なフレスコ)
フレスコ・ア・セッコ(糊となる材料を混ぜるフレスコ)
この2種類を両方使った描き方です。
まず一般的な糊を入れないフレスコ技法で描いて乾燥した後に、糊を加えたフレスコ・ア・セッコで上から加筆していくんです。
主に乾いてしまったフレスコ画に加筆したいときに使われた技法です。
フレスコ・ア・セッコより普通のフレスコの方が耐久性が高いので、加筆した部分だけ剥がれて無くなってしまうこともあるみたいです。
まとめ
今回はフレスコ画の歴史や、有名な作品、描き方について解説してみました。
フレスコ画は現代でも再現することが可能な技法です。
もし気になる方はこの記事を参考にして役立ててくれると幸いです。
ではでは今回はこの辺で!
また別の記事でお会いしましょう!
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