以前、
「アクリル絵の具を使えばアトリエは必要ない!?三つの理由!」
という記事の中で油絵の具は結構においが気になるよね、みたいなことをお話ししました。
実際使ってみると部屋は油絵の具臭くなってしまうし、ずっと嗅いでいると頭はいたくなるし・・・部屋の環境的にはちょっとよろしくありません。
じゃあ油絵の具って駄目な絵の具なのか?というと当然そういうことでは無いです。
ざっとメリットを挙げていくだけでも
・透明度が高いので透明色をキレイに重ねられる。(グレーズ技法と言います。)
・乾燥後に体積が減らないので盛り上げが簡単
などなど使用したくなる理由は沢山あります。
なので今回は油絵の具の臭いを最小限に抑えて気持ちよく使える簡単な方法だと思う
・使う油を変える
・保管の方法
に絞って書いていきたいと思います。
臭いの原因は2種類!
さて、最初に油絵の具が何故臭うのかということについて簡単にお話していきます。
普段絵をかかない人でも子供のころに水彩絵の具を触ったことはあると思います。水彩絵の具はその名前の通り「水」で絵の具を溶かして描いていきますよね。
では油絵の具は何で溶かして描くのでしょうか?
油と冠しているので当然ですが、「油」で溶かして描いていくんですね。
臭いの原因はこの「油」にあります。
そしてこの油は大まかに分けると
・揮発性油
に分けることができます。
ではここで、それぞれの特徴と用途をざっくり解説しておきます。
揮発性油
油絵の具を使っていて、
「シンナーみたいなにおいだなぁ、頭が痛くなってきたなぁ」
とか思うことって結構ありますよね。
実際自分は美大受験の時に吸いすぎて試験中に倒れかけました・・最悪の思い出です(笑)。
その原因がこの「揮発性油」という油です。
画材屋さんに行くと
・ターペンタイン(テレピン)
・ラベンダーオイル
などが売っていると思いますがこれらが揮発性油と呼ばれている油です。
これらは油絵の具をサラサラに薄めて描きやすくしてくれる油です。またこの油成分は全て気化してしまうので乾燥後には画面に残りません。
部屋の中でどんどん気化していくので、それを原因として部屋にシンナー臭が広がってしまうという訳です。
乾性油
こちらの「乾性油」は先ほどの揮発性油とは違い、画面上に残る油です。この油が空気中の酸素と重合することで、油絵の具が乾燥します。
乾性油はサラダ油などと同じような植物油脂の匂いがします。常温にあれば、ほとんど臭いは気にならないレベルだと思います。
しかし乾燥時に生じる成分によって少々、焼肉屋さんのような臭いがしますね。
揮発性油に比べたら不快感は少ないとおもいます。
対策方法
揮発性油と乾性油、それぞれの匂いに対しての解決策を考えると、最初に書いた通り油の種類、保管場所が簡単に行える解決策なのではないかと思うのでまとめてみます。
揮発性油の対策
実は揮発性油には無臭のぺトロールというものが売っています。
クサカベなら「ゼファ 無臭ペトロール」
などがそれに当たります。
詳しい説明は省きますが油の構造上、ターペンタインやラベンダーオイルなどは無臭加工することはできないのですが、ターペンタインはそれが可能なので無臭のものがあるのです。
臭いがきついと感じる場合は、これらの揮発性油を使うのも一つの手だと思います。
乾性油
乾性油の臭いはあまり気にはなりませんが、作品の量が多くなってくると若干気になり始める方もいるかもしれません。
僕は作品の保管にクローゼットを使っています。ある程度閉じた場所に置いておけば、気になりません。乾燥が終わるに従い匂いも弱まってきます。
また木枠が付いたままだと場所をとるので木枠から外して保管すると場所の節約になると思います。
新品のキャンバスを買い続けると木枠がかさばってくるので、新しい絵を描く際はロールのキャンバスを、前に描いていたキャンバスの木枠に張ると良いかと思います。
まとめ
小手先のテクニックで何とかクリーンに油絵の具を使うにはどうすればいいのか書いてみました(笑)。
生活環境で油絵の具をつかうのはハードルが高い面もありますが、対策をして使えば魅力のある画材だと思うので、チャレンジしてみると楽しいですよ!
ではでは!!また次の記事でお会いしましょう!
✅電子書籍「絵の仕事で生活するためのロードマップガイド」
✅ビデオ講座「アクリル画技法無料講座」