いきなりですが皆さんは水性アルキド樹脂絵の具って聞いたことありますか?
「アクリル絵の具なら知ってるけどアルキド絵の具って何よ?」
「水性なの?油性なの?」
なんて声が聞こえてきそうです(笑)。
実際のところ僕も最近までそこまで使用したことがなく、最近壁画の仕事で本格的に使い始めました。
今回はその感想も含めて「水性アルキド樹脂絵の具」について書いていこうと思います。
どんな特徴があるの?

水性アルキド樹脂絵の具ってどんな特徴があるのかってところから話していきたいと思います。
アルキド樹脂が使われているよ
まず水性アルキド樹脂絵の具にはバインダーにアルキド樹脂が使われています。
バインダーというのは色の元である顔料(粉状)を練り合わせるのに必要な「のり」のような役割のものです。
このバインダーは絵の具の種類によって異なります。
アクリル絵の具→アクリルエマルジョン
油絵の具→乾性油
水彩絵の具→アラビアゴム
上記のようにバインダーは絵の具によって異なる訳です。
水性アルキド樹脂絵の具はこのバインダーに水性のアルキド樹脂が使われているのというわけです。
アクリル絵の具との違いは何?
水性アルキド樹脂絵の具とアクリル絵の具が同じものだと思われている方が結構多いようなので違いを書いてみます。
乾燥速度
まず一番の違いは乾燥速度かと僕は思います。
アクリル絵の具は10分から30分で完全に乾いて耐水性になります。
しかし水性アルキド樹脂絵の具は10分から30分で手につかずべたつきもしないくらいに乾くのですが、内部までは乾燥しないため水に溶ける状態を保ちます。
完全に乾くのは一か月後くらいみたいです。
完全乾燥が遅いメリットとしては
・筆の片づけが楽。(洗うのを忘れても後から落としやすい)
・もし間違って描いてしまっても水で落とせる
・乾燥が遅い分、作業を急かされない。
などが挙げられると思います。
油絵の具の上にも描ける
水性の絵の具である、アクリル絵の具や水彩絵の具は、油絵の具の上に重ねると固着が弱まるので基本的にやるべきではないとされていました。
しかしアルキド樹脂絵の具はそれが可能です。水で溶いて油絵の具の上に重ねることが出来るので表現の幅を広げてくれると思います。
実際僕も油絵の具の面に描いてみましたが問題なく固着してくれました。
どこの会社が発売しているの?

現在水性アルキド樹脂絵の具は
画材メーカーのクサカベが「アキーラ」という商品名で発売しています。
おそらく国内で販売されている水性のアルキド樹脂絵の具はこのアキーラのみかと思われます。
どんな作品が描けるの?

アキーラを使えば油絵の具と併用したり、色々な素材の上に描くことが出来るので単純に絵画やイラストだけでなく立体作品を作る上でも役に立つかと思います。
ちなみに僕はアキーラを使って、複数人で壁画の制作を行っていますよ。


(この壁画はこのアトリエで描いた後に、お客様の場所に運び壁面に設置する予定です。)
また外壁のペンキにも使用される塗料なので耐久性の面から見てもアキーラは優れていると思います。
あとアキーラは筆で描く作業だけでなく、エアブラシなどで大きな面を塗ったりする作業もストレスなく行えました!
まとめ
ざっと水性アルキド樹脂絵の具の解説をしてみしたが、いかがだったでしょうか。
僕もまだ使いこなせてはいない部分があると思うので、これから色々試してみようと思っています。
自分なりの使い方を探ってみるのも楽しいと思いますよ!
では今日はこのへんで!!また次の記事でお会いしましょう!
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