こんにちは!
今回は、
「アクリルガッシュって何?
普通のアクリル絵の具と何が違う?」
というテーマでお話していきます。
「アクリルガッシュ」って
皆さんは使った事がありますか?
おそらく普通のアクリル絵の具を使う方なら、
使ったこと自体が無くても画材屋さんで
見かけたことはあるのではないかと思います。
僕は美術予備校に通っていた時にデザイン科に
在籍していたことがありますが、
その時にアクリルガッシュを使っていました。
(最終的には油絵の具が好きになり油絵科に
転向しました。)
デザイン科ではなぜアクリルガッシュが
使われているのか。
それはデザイン的な表現にむいた絵の具の
性質をアクリルガッシュが持っているからです。
ではその特徴とは一体どんなものなの
でしょうか。
以下に簡単にまとめてみました。
・ムラが出にくい
・速乾性がある
・乾燥すると耐水性になる
・艶消しになる
上の特徴はおそらくどのメーカーの
アクリルガッシュでも共通した特徴ではないか
と思います。
ちなみに僕はターナーのアクリルガッシュを
使っていましたよ。
ではこの特徴を少し掘り下げて見ていきましょう。
目次
アクリルガッシュはムラが出にくい!
![](https://acrylicrab.com/wp-content/uploads/2016/12/watercolour-2542465_1920.jpg)
普通のアクリル絵の具は透明色から不透明色まで
用意されているので、
油絵の具のように透明色を重ねたりする
表現が容易に行えます。
ただ逆に言えば、
フラットにムラのない色面を塗るのは少し
難しかったりもします。
少し下の絵の具が透けてしまったりするんですね。
その点でいえばアクリルガッシュは下が
透けない(隠ぺい力が強い)ので
普通のアクリル絵の具よりも簡単にフラットで
ムラのない色面を作ることができるのます。
この点はアクリルガッシュの一番大きな特徴の
一つと言えるでしょう。
この特徴のおかげでデザイン的なムラのない
機械的な色面を作ることができるのです。
アクリルガッシュは速乾性がある
![](https://acrylicrab.com/wp-content/uploads/2016/12/school-571937_1920.jpg)
アクリルガッシュは乾きが非常に速いため、
手早く描くことができます。
この速乾性は普通のアクリルも同じく持った
性質ですが、
個人的にはアクリルガッシュのほうが
若干乾燥が速い気がします。
(これはあくまでも個人的な体感ですが。。)
今ではデザインの仕事はphotoshopなどに
代わられていますが、
美大のデザイン科の試験など時間制限のある
受験生にとっては有難い性質でしょう。
関係ないけど油絵の具は乾燥までに数日かかる
のに試験時間がデザイン科とほとんど
変わらないのは本当に謎でした(笑)。
アクリルガッシュは乾燥後に耐水性になる
![](https://acrylicrab.com/wp-content/uploads/2016/12/painting-2407262_1920.jpg)
これも言ってしまえば普通のアクリル絵の具と
ほとんど同じ性質ですね。
耐水性になれば上から水を含んだ絵の具で
重ねても、
下の絵の具が溶けないので描き進めやすいです。
アクリルガッシュは艶消しになる
![](https://acrylicrab.com/wp-content/uploads/2016/12/graffiti-569265_1920.jpg)
この艶消しの質感になるというのは
アクリルガッシュの大きな特徴です。
普通のアクリル絵の具だと厚めに塗って
乾燥させると、
若干ビニールっぽい質感のツヤが発生します。
(もちろんメディウムやニスかけなどで好みの
質感にする事はできます。)
しかしアクリルガッシュの場合、
とても落ち着いたマットな質感になります。
この特徴は描いたのちに絵のつや均等になる
ので、
非常に見やすくデザイン方面で重宝される
理由の一つかと思います。
アクリルガッシュを発売しているメーカー
![](https://acrylicrab.com/wp-content/uploads/2016/12/easter-eggs-252874_1920.jpg)
このアクリルガッシュという種類の絵の具は
有名所の絵の具メーカーで買えば
個人的にそこまで差はないかと思います。
ここでは参考までに三社のアクリルガッシュを
載せておきますね。
・ターナー色彩 アクリルガッシュ
・ホルベイン アクリラガッシュ
・リキテックス ガッシュ・アクリリック
ここらへんですね。
どれを使っても品質的には同じくらいです。
アクリルガッシュのデメリットとは
![](https://acrylicrab.com/wp-content/uploads/2016/12/child-3194977_1920.jpg)
ここまででアクリルガッシュの解説を
してきました。
アクリル絵の具との違いですね。
非常に良い絵の具のように思える
アクリルガッシュですが、
アクリル絵の具と比較した時のデメリットも
存在します。
それが
・ひび割れしやすい
・色が変色しやすい
・透明度が低い
このような点ですね。
掘り下げて解説していこうと思います。
アクリルガッシュはひび割れしやすい
![](https://acrylicrab.com/wp-content/uploads/2016/12/abstract-2468874_1920.jpg)
で、1つ目のデメリットがアクリルガッシュは
アクリル絵の具と違ってひび割れしやすい
という部分です。
アクリル絵の具と比べてひび割れしやすいのは
アクリル絵の具よりも樹脂分が低く作られて
いるからです。
アクリル樹脂の配合比率が低いので
顔料の比率が高く、
その分乾燥した時にひび割れが発生しやすい
のです。
例えば紙やキャンバスに絵の具をガッシュを
塗って絵を完成させたとしますよね。
その後、
例えば絵を丸めたりするとヒビが入ったり
すると言う感じです。
このため原画などの保管する必要がある絵には
使わない方が無難です。
ただコピーすることを前提とした
絵には使ってもOKですね。
アクリルガッシュは色が変色しやすい
![](https://acrylicrab.com/wp-content/uploads/2016/12/art-materials-1850856_1920.jpg)
2つ目のデメリットが変色しやすいという
部分です。
これもひび割れしやすい理由と同じで
アクリル樹脂の配合比率が低いからですね。
陽に当てたり、飾ったりすると
アクリル絵の具となどは違い変色が
起こりやすいです。
ここは注意が必要ですね。
先ほども言いましたが、
絵画などの原画として重要な絵はできるだけ
アクリルガッシュの使用は避けて、
アクリル絵の具を使いましょう。
アクリル絵の具であれば
非常に耐久性が高いので安心して使うことが
出来ます。
アクリルガッシュは透明度が低い
![](https://acrylicrab.com/wp-content/uploads/2016/12/art-1478831_1920.jpg)
次のデメリットがアクリルガッシュは
透明度が低い、と言う部分です。
透明度が低いのでマットにフラットには
塗りやすいのですが、
絵画やイラストなどで透明色を重ねて
表現する際には不向きです。
油絵の具などでよく使われる
グレーズ技法などはアクリルガッシュには
向いていません。
グレーズ技法というのは
乾燥した絵の具の層に透明色を薄くかける
ことで、
色を鮮やかにしたり深みのあるトーンを
出していく技法です。
もし深みのある表現で絵を描きたい場合は
アクリル絵の具をお勧めします。
僕の絵もアクリルガッシュではなく
アクリル絵の具を使っていますよ。
おすすめのアクリル絵の具
![](https://acrylicrab.com/wp-content/uploads/2016/12/art-1209519_1920.jpg)
僕は普段アクリル絵の具を使っていますが
お勧めのアクリル絵の具はリキテックス社の
リキテックスプライムという絵の具です。
この絵の具は
・発色
・透明度
などが非常に優れているので絵を作品として
描きたい人には非常に向いています。
僕も実際にこの絵の具で作品を描いていて
長いこと愛用しているのでお勧めですね。
是非気になる方は使ってみてください。
特に透明色は他のブランドと比べて
とても透明度が高くてお勧めです。
まとめ
今回はアクリルガッシュ絵の具の特徴を、
普通のアクリル絵の具と比較してみました。
アクリルガッシュ絵の具は普通のアクリル絵の具と
併用できるので、
デザインのために使うのでなくても、
原画として描く必要のある絵でなければ
使うこともできると思います。
僕はアクリルガッシュの隠ぺい力の強さを
利用して下の絵の具が見えてこないでほしい所に、
部分的に使うこともあります。
あくまで部分的なので全体に使うことは
ないですけどね。
工夫次第で色々な使い方ができると思いますので
是非試してみてくださいね。
ではでは!また次回に記事でお会いしましょう!
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