最近、モチーフを自分でセットしたりして絵を描いたりするんですが、スポットライトを移動させたりして、光をモチーフに上手く当てるのが難しいなと感じることがあります。
昔の古典的な絵を観たりすると、非常に念密な角度で光が当てられているんですよね。
もちろん絵を描くこと自体の技術もとても高いのですが、それ以前に構成のためにモチーフをセットする技術が凄く高いなぁと思います(もちろん全て実際に用意しているとは思いませんが)。
やっぱり色々な部分において研究を続けないといけないな、と思いますね。
さてさて、今回の記事はそんな光の使い方が印象的な巨匠「カラヴァッジョ」について、どんな画家だったのか、どんな作品を制作したのかを解説していこうと思います。
カラヴァッジョについて興味のある方は是非読んでみて下さいね!
カラヴァッジョのプロフィール
生没年・・・1571年9月28日 – 1610年7月18日
生まれた場所・・・ミラノ
活動した場所・・・ローマやナポリなど
作風・・・バロック
家庭・・・未婚
性格・・・非常に短気で殺人を起こしたことがある
カラヴァッジョってどんな画家?
カラヴァッジョは生涯波乱に満ちた人生を送った画家と言えるでしょう。
20歳の頃にローマに赴いて、そこで絵を描いていた時はお金が無く非常に貧しい生活を送っていたようです。
人物画を描く時はモデルを描きたくても雇うことが出来なかったので自らをモデルに描いていたとも言われています。
有名な「病めるバッカス」などはカラヴァッジョ自身の姿だという説もあるようです。
しかしそこから数年のうちに教会などから制作依頼を受けたり、力のあるパトロンが付いたりするなど才能が認められていきます。
若くして名声と富を得ることが出来たんですね。
しかしながらカラヴァッジョは、私生活の中でかなりのトラブルや問題を抱えていた人物でもあります。
性格が非常に激しく、喧嘩による傷害や器物破損など多くの罪を重ねて、警察に度々逮捕されるなどしていたんです。
生涯にわたってこうした荒々しい生活は治ることはありませんでした。
そして、とうとう1606年にカラヴァッジョは殺人を犯してしまいます。
原因は賭けを巡る喧嘩で、相手を刺し殺してしまったそうです。
それから4年間も逃亡をすることになります。
しかしカラヴァッジョの凄い所は、この逃亡生活の間にも制作を止めることなく鍛錬を続けたところにあります。
そして逃亡を続けた彼は、ヨハネ騎士団の騎士となっていました。
しかし騎士としての仕事をこなす中でも、メンバーと喧嘩を起こし投獄されたりしていたそうです。
その後ローマで恩赦を受けられると聞いたカラヴァッジョはローマに戻ろうとしました。
しかしその途中で熱病にかかってしまい、ローマへの道半ばで亡くなってしまいます。
その時カラヴァッジョは38歳でした。
斬新な光を使ったカラヴァッジョの画風
カラヴァッジョはレオナルド・ダ・ヴィンチなども活躍したミラノで絵画の修業をしていました。
しかしカラヴァッジョの時代のミラノは、芸術的な賑わいが落ち着いていて盛んとは言えませんでした。
ミラノに物足りなさを感じた彼は、芸術の盛んなローマへと旅立つことになったんです。
ミラノへと渡るなどして活躍の幅を広げたカラヴァッジョでしたが、彼の人生は38年ほどで、画家としてのキャリアは十数年ほどと短いものでした。
それにもかかわらず彼の作品は後の芸術家たちに非常に大きな影響を与えることになるんですね。
彼の作品が斬新といえるのは、その光の使い方にあると言って良いと思います。
当時流行っていたのは優美で明るい色調の作品が多かったのですが、カラヴァッジョの作品は劇的でコントラストの強い陰影が特徴的です。
常識を覆した彼の作風は当時の若い芸術家に支持され、多くの追従者を生み出しました。
特に彼の作風を真似る人たちを「カラヴァッジェスキ」などと呼ぶようです。
カラヴァッジョ代表作「マグダラのマリア」「洗礼者ヨハネの斬首」
カラバッジョの作品で有名な絵の1つが「マグダラのマリア」ではないでしょうか?
正確には法悦のマグダラのマリアなどと呼ばれたりしていますね。
この作品は実は最近になって発見された物なんです(2014年頃)。
カラヴァッジョが死ぬまで手元に持ち歩いていた作品だと言われています。
また先ほども話に出ましたが、カラヴァッジョは賭けの喧嘩で殺人を犯してしまい長い逃亡生活を送っていました。
この法悦のマグダラのマリアは、その逃亡生活の際に身を隠しながらも描いていた作品らしいんですね。
その後彼は病気で亡くなってしまいますが、2014年になって発見されることになりました。
科学調査などを受けてカラヴァッジョの真作であることが認められ、日本の国立西洋美術館で2016年に初公開されました。
これほど有名な巨匠の新しく見つかった作品の初公開が日本だという事で、日本人としては少し嬉しいような得したような気持ちですね(笑)。
また「洗礼者ヨハネの斬首」という作品もカラヴァッジョの作品として有名なのではないかと思います。
この絵はヨハネ騎士団の大聖堂に飾るためにかかれた作品です。
暗闇の中で死刑執行人がヨハネの首を切り落とそうとするシーンが描かれています。
カラヴァッジョの作品のなかでも最高傑作だとされています。
彼は、描かれる人物を理想化せずにありのまま描こうとしました。
こうした表現は当時としては斬新だったために、物議をかもすこと多かったそうです。
また光をダイナミックに扱いドラマティックなシーンを描き出そうとするのも彼の特徴であり、この絵はまさにそうした要素が全部入っている集大成の作品だと言えるかと思います。
まとめ
今回の記事では巨匠カラヴァッジョがどんな人物で、どんな作品が有名なのか分かりやすく解説してみました。
非常にダイナミックな光の使い方をするなど、後世の画家に多くの影響を与えた人物なんですね。
ではでは今回はこの辺で!
また別の記事でお会いしましょう!
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