皆さんは芸術やアートと聞いてどんな作品やアーティストを思い浮かべるでしょうか?
こうした分野に対して前衛的な表現を行うアーティストや作品というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
今回紹介する「ダダイズム」と呼ばれる芸術運動は、そうしたイメージにふさわしい前衛的な活動でした。
この記事では、ダダイズムの特徴や代表的なアーティストを分かりやすく解説していきますので是非読んでみて下さいね!
ダダイズムとは?どんな特徴があるの?
ダダイズムは第一次世界大戦の最中に起こった、非常に前衛的な芸術運動です。
すでにある固定化してしまった概念や、戦争の愚かしさに対抗するような内容を含んでいるのが特徴的です。
こうしたダダイズムの根本的な目的は、伝統的な価値観を壊して新しい芸術を生み出すことだったと言えると思います。
もともとあった芸術の中における規制に対抗し活動を行っていましたが、1921年頃になるとダダイズムのグループは解散され、多くのアーティストがシュルレアリスムに転向していきました。
フランシス・ピカビア
フランシス・ピカビア(1879年1月22日 – 1953年11月30日)
ー年表ー
1895年:パリ装飾芸術学校に入学する
1905年:個展を開催
1911年:デュシャンなどのアーティストに出会う
1913年:ニューヨーク、アーモーリーショーに出品
1921年:ダダを非難する
1924年:映画「アントラクト」を制作する
1953年:死去
フランシス・ピカビアは早期から芸術の研究を重ねて、20代の頃にはすでに画廊と契約するなどしていました。
その頃は印象派の影響が強く、そうした画風の絵を描いていました。
様々な芸術の形を模索したピカビアは、フォービズムや未来派、キュビズムなども探求していました。
1911年頃には、生涯の親友となるマルセル・デュシャンなどにも出会う事になります。
第一次世界大戦中には、ニューヨーク、スペイン、スイスなどを移動しながら活動していました。
1917年にはダダイズムに関連した「391」という本を発刊します。
その後ダダイズムの運動を行っていくピカビアですが、1921年頃になるとダダイズムの考えは既に古いとして非難する側になりました。
彼がダダイズムの活動を行ったのは1913年~1918年の間、約5年ほどでした。
マルセル・デュシャン
マルセル・デュシャン(1887年7月28日 – 1968年10月2日)
ー年表ー
1913年:既製品を使った「自転車の車輪」を制作する
1915年:「大ガラス」の制作を開始するが後に未完のまま放置
1926年:ブルックリンに展示した大ガラスが損傷して返却される
1954年:結婚
1968年:死去
マルセルデュシャンは画家一家の元に誕生しました。
若いころから画家として認められ、1912年頃になると先ほど紹介したピカビアなどと共に芸術に対して議論を交わすようになります。
第一次世界大戦後になると、ニューヨークでダダイズムの運動に積極的に関わるようになります。
主に既製品を使った皮肉の効いた作品が有名ですね。
また埃や影、言葉などの儚いものを作品の制作に利用したり、女装をしたりするなど様々な方法も用いていました。
さらに死後に大掛かりなインスタレーション作品が発見され、それは「与えられれば」と名付けられました。
現在はフィラデルフィア美術館で展示されています。
マン・レイ
マン・レイ(1890年8月27日 – 1976年11月18日)
ー年表ー
1890年:ロシア系ユダヤ人の家庭で生まれる
1897年:ニューヨークへ移住する
1920年:「ニューヨーク・ダダ」という雑誌を発行する
1921年:パリへ移住する
1930~31年:ソラリゼーションと呼ばれる作品を制作し始める
1940年:ハリウッドへ移住
1951年:パリに戻る
1976年:死去
マン・レイは主にニューヨークとパリで活動したアーティストです。
彼はシュルレアリスムの活動も行っていましたが、それと同時にダダイズムのアーティストとしても活動していて、マルセル・デュシャンの親友でもありました。
また彼の作品は表現手段のバリエーションに富んでいて、写真、油絵、素描、映画、コラージュ、立体作品など様々な方法を実験しています。
もともと仕立て屋の家庭に生まれた事が影響して、人形やミシン、アイロンなどの道具が作品の中に度々登場します。
1930~31年頃になると、「ソラリゼーション」と呼ばれる写真の明暗を逆転させる写真の技法を開発するなど、写真界でも大きな功績を残しました。
まとめ
今回の記事では「ダダイズム」と呼ばれる非常に前衛的だった芸術について、どんな特徴があり、どういったアーティストが生まれたのかを解説してみました。
特にマルセル・デュシャンは現代の芸術に非常に大きな影響を与えた人物で、その作品は当時かなりの物議を生みました。
ではでは今回はこの辺で!
また別の記事でお会いしましょう!
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