僕は絵を描く時に音楽などを聞きながら作業をすることが多いです。
きっと絵を描く人は何かしながら描く人が多いのではないかと思います。
友達にはお酒を飲みながら描く人もいましたね(僕には無理です)。
レオナルド・ダ・ヴィンチの絵を分析したらチキンの成分が出たと聞いたこともあります。
きっと食べながら描いていたんでしょうね。
画家が絵を描いているのを想像する時、どんな作業風景なのか想像するのも面白いかもしれませんね。
さてさて、今回の記事では「フラゴナール」というロココ時代の画家について解説してみようかと思います。
フラゴナールの生き生きとした華やかな絵は、観ていてとても楽しいと思います。
フラゴナールについて気になる方は是非読んで下さいね!
フラゴナールのプロフィール
生没年・・・1732年4月5日~1806年8月22日
活動した地域・・・パリ
作風・・・ロココ
題材・・・男女の恋愛
仕事・・・画家の他にルーブル美術館でも働く
経歴・・・20歳の時にローマ賞を受賞
フラゴナールってどんな画家だったの?
フラゴナールは若くして才能に恵まれた画家でした。
当時もっとも格が高いとされた歴史画というジャンルに関心を持っていたようです。
そして、20歳の頃には王立アカデミーのコンクールでローマ賞を受賞しました。
このローマ賞というのは、国王が若手の才能ある画家に送る賞で、官費でローマに留学することができるようになります。
この賞を受賞したという事は、つまり宮廷画家というエリートコースを約束されたようなものなんですね。
そして4年間の留学期間を終えたフラゴナールは「カロリエを救う大司祭コレリュス」という歴史画の大作を制作しました。
この絵はルイ15世に買い取られ、一気にフラゴナールは知名度を上げることになります。
ルーブル宮殿に住まいとアトリエを与えられるなど、大きな名声を得ることに成功しました。
歴史画家として非常に大きく期待されていたんです。
しかしフラゴナールは一転して歴史画からロココ的な作風に転身することになります。
なぜここまで成功しながら歴史画家としてのキャリアを捨てたのでしょうか?
それは当時の国家の財政状況が影響しているようです。
「カロリエを救う大司祭コレリュス」は国家に買い取られたのですが、なかなか代金を支払って貰えなかったらしいんですね。
こうした状況からフラゴナールは客層を国家ではなく、個人客にしていきました。
フラゴナールが生きたロココの時代
フラゴナールはロココ美術晩期の画家であり、そのために時代に翻弄されてしまった画家だと言えます。
ルイ14世が死去したことで流行りを迎えたロココは、ルイ15世からルイ16世の時代で最も盛り上がりを見せました。
しかしながら14世の後継である彼らは、平凡な人物達で戦争に負けたり領土を縮小させてしまうなど政治手腕において優れているとは言えなかったんです。
そうした影響で庶民の生活が苦しくなりましたが、相も変わらずブルジョワ達は贅沢な生活を送っていました。
こうしたことに対する不満が変革を生んでいきます。
ロココ美術はこうした流れで富裕層が好む作品として見捨てられていきました。
このロココに対する反発で新古典主義という作風、主義が流行り出していく事になったんです。
フラゴナールはこうした流れに対して作風を少し変化させるなどの対策をしていたようですが、フランス革命が起こると完全に画家としての仕事はなくなりました。
晩年の十年ほどは制作を全く行っていなかったようです。
こうしてフラゴナールは近代まで忘れ去られた存在となってしまったのです。
フラゴナールの代表作品「ぶらんこ」とは?
この絵は庭園風景の中でブランコ遊びをする男女が描かれています。
明るく軽快な作風はロココ美術の特徴をよく表しています。
この作品はサン・ジュリアン男爵という人物からの依頼による作品です。
左下に描かれている男性がサン・ジュリアン男爵です。
彼ははじめ「愛人が乗っているブランコと、彼女の足元が見える場所に自分を描いてほしい」という注文で、フラゴナールではない別の画家に依頼していたんです。
しかし、こうしたテーマならフラゴナールの方が得意なはずだという事で、推薦されたそうです。
この絵は構成も非常に生き生きとしたものになっています。
女性の脱げた靴、キューピットの像、大きく斜めに入った背景などが画面に配置されていることが、そうした軽快さを生んでいるんです。
ロココ美術の代名詞と言える一枚なのではないかと思います。
まとめ
今回の記事ではロココ美術の代表格である「フラゴナール」について解説してみました。
軽快で生き生きとした作品達は、当時の貴族達の華やかで楽し気な生活が描かれているんですね。
ではでは今回はこの辺で!
また別の記事でお会いしましょう!
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