僕は絵を描く時や、その他の作業をする時には必ずと言っていいほど音楽を聴きながらすることが多いです。
これだけで無駄な音が耳に入らないですし、一定のリズムが耳に入ることで集中力が格段にアップする気がします。
作業に集中できない人は是非作業用のBGMを見つけてみて下さい!
さてさて、今回の記事では写実主義の有名画家「クールベ」について分かりやすく解説していこうと思います。
クールベは非常に有名な画家で、日本の国立西洋美術館などでも作品を観ることが出来ます。
代表的な作品の「画家のアトリエ」という作品もあわせて紹介しているので是非読んでみて下さいね!
クールベのプロフィール
生没年・・・1819年6月10日ー1877年12月31日
出生地・・・フランスのオルナン
作風・・・写実主義
勲章・・・レジオンドヌール勲章を授与されたが拒否した
出来事・・・54歳でスイスへ亡命
師匠・・・フラジェーロ
クールベってどんな画家?
クールベはリアリズム(写実主義)にこだわった画家です。
彼は「羽の生えた人間なんて見たことは無いから、天使なんて描かない」という言葉を残しています。
徹底して現実を捕らえて作品を描いた彼は、社会の出来事などもそのまま作品にしていきました。
当時の主流であったアカデミズムは、クールベとは正反対のものだったので度々批判の的にされたりもしていました。
しかしそうした体制にも負けじと反発したクールベは「レアリスム宣言」を宣言するなどして立ち向かいました。
活動を続けていくうちに彼の評価は高まっていきましたが、そうした反骨精神は失われることは無く、政府からレジオンドヌール勲章を授与された際は、それを拒否しています。
彼の画家としての活躍が絶頂期だった頃だと言えます。
しかし、彼はその後ヴァンドーム広場のナポレオン記念円柱を破壊した罪で逮捕されてしまいます。
6か月禁固された上に罰金も支払うことになってしまったんですね。
しかもその後サロンからも追い出され、円柱の再建費用も支払い、財産まで没収されてしまいます。
クールベは追い詰められた末に、スイスへと亡命しました。
反骨精神画家クールベとパリ万博
万博博覧会というものが初めて開かれたのはロンドンで、1851年のことでした。
これを始めとして欧米では万博が盛んに開催されることになります。
19世紀の後半になるとパリだけで数えても五回以上開催されています。
万博というのは、主に国それぞれの文化や特産物を紹介するというのが目的であり、産業の技術なども同時にアピールされていました。
そして、1855年に行われたパリの万博ではそれまでなかった美術の部門が誕生することになったんです。
フランスはこの万博の年にはサロンも中止して、万博の美術部門に全力を注ぎました。
アングルとドラクロワという偉大な巨匠の展覧会を企画するとともに、他の多くの画家達からも作品提供を依頼したんです。
クールベもこのイベントに作品を14点を提供しました。
しかしながらそのうち3点ほどが落選してしまいます。
若い画家で11作品が認められるというのは快挙でもあるのですが、大作である「画家のアトリエ」と「オルナンの埋葬」が落選したことに納得できず、全ての作品を撤収してしまいまったんですね。
そして彼は万博の向かいにある建物で、自分の作品だけの個展を開いてしまいます。
なんと入場料は万博と同額だったそうですよ。
すごい反骨精神ですよね(笑)。
クールベの代表作品「画家のアトリエ」とは?
タイトルに「画家のアトリエ」とあるように、この絵の舞台はクールベのアトリエです。
この絵に登場している人物達も実際に存在した人間です。
しかしながらこの絵に描かれているアトリエ自体は架空のものです。
この絵には別のタイトルがあるんです。
それが「わが芸術的生活の7年にわたる一時期を定義する現実的寓意画」というものです。
ややこしいですが、現実と寓意がミックスされた絵だという事ですね。
そして、この絵はクールベ自身を取り巻く社会自体を描いた絵だと言われています。
この絵の右側に描かれた人物達は、ボードレールやシャンフルーリ、美術愛好家など彼を理解している友人や仲間が描かれています。
逆に左側にはみすぼらしい恰好をした人物や道化などが描かれていますね。
これは貧困や悲惨さ、搾取などを意味しているそうです。
こうした寓意でクールベ自身の周りにある社会を表現したんです。
まとめ
今回の記事ではリアリズムの代表的な存在であるクールベを分かりやすく解説してみました。
彼は非常に反骨精神にあふれた画家で、体制的なものに反発し社会や身の回りの出来事を描き出したんですね。
こうした表現は近代美術の始まりでもあり非常に重要な活動であったと思います。
ではでは今回はこの辺で!
また別の記事でお会いしましょう!
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