皆さんは季節によって何か特別なイベントとかってすると思うんです。
夏だったら海行ったり、冬なら雪だるま作ったりとかですね。
でも絵を描いていると夏に冬の絵を描いたり、冬に夏の絵を描いたりすることがよくあります。
結構季節ごとに過ごしずらい気候になると真逆の環境に憧れてしまったりするんですよね。
暑さや寒さが極まってくるとそんなことを思ったり・・(笑)。
さてさて、今回はロココ時代の有名な画家「アントワーヌ・ヴァトー」について、彼の代表作と共に解説していこうかと思います。
ヴァトーに
ついて知りたい方は是非読んでみて下さいね!
目次
アントワーヌ・ヴァトーのプロフィール
生没年・・・1684年10月10日~1721年7月18日
活躍した場所・・・パリ
作風・・・ロココ
家庭・・・未婚
特徴・・・「雅びな宴」(フェート・ギャラント)の画家と呼ばれた
趣味・・・演劇
好んだ題材・・・貴族たちの宴
アントワーヌ・ヴァトーってどんな画家だったの?
アントワーヌ・ヴァトーはロココ時代の巨匠として有名ですが、初期の時代からそうした絵を描いていたわけではありません。
最初は、フランスにおいて芸術の主流を担っていた王立美術アカデミーに認めてもらうために、伝統的な歴史画や物語画を描いていました。
しかしヴァトーはそうした絵を描くのが苦手だったのか、二度も出品して落選しています。
彼は生活費を稼ぐために戦争画を描き始めました。
こうした絵を観た有力コレクターがヴァトーを推薦してくれたので、ヴァトーはアカデミーの準会員になることが出来たんです。
そして彼は準会員から正会員に昇格するため、アカデミーに作品を出展しました。
この時の作品が彼の代表作として有名な「シテール島の巡礼」という作品なんです。
この作品を観た審査員は、非常に驚いたそうです。
それまでアカデミーにはヴァトーのような作品のカテゴリーは無くどういう風に分類したら良いのか分からなかったからです。
そして、この時に初めてアカデミーは雅宴画(フェート・ギャラント)という絵画のジャンルを作ることになりました。
こうした高い評価を受けていたヴァトーですが、若いころから患っていた結核によって37歳という若さで亡くなってしまいます。
この時期はヴァトーの評価の絶頂期であり、制作の意欲もとても強かったと思うので非常に残念ですね。
ヴァトーが活躍した「ロココ時代」と「ルイ14世」
ロココと呼ばれる芸術は18世紀初頭にフランスで立ち上がりました。
ルイ14世が死去したことをきっかけにして、それまでの時代に反発する形で生まれてきたんですね。
ルイ14世は1643年(当時5歳)から王座に就きました。
その期間は72年間に及びます。
歴代の王達と比べても一番長い記録になります。
そして、フランスをヨーロッパの強国へと導き絶対王政を築き上げました。
そのルイ4世が好んだ美術作品はほとんどが古典主義的な作風で占められていました。
非常に豪華で、格式高く、荘厳な作風の芸術ですね。
しかし長く王座についていたので、周りの人々はそうした作風に飽き飽きしていました。
ルイ14世が亡くなると、突如として今までの主流とは異なった作風の芸術が登場していきます。
これがいわゆる「ロココ美術」と呼ばれるものですね。
古典主義とは真逆の、気楽で軽快かつ繊細な美術ですね。
こうしたものは非常に歓迎され、どんどんと楽しげなものが作られていきました。
アントワーヌ・ヴァトーの代表作「シテール島の巡礼」とは?
この「シテール島の巡礼」という作品の中で登場するシテール島というのは、愛の女神ヴィーナスが上陸したと言われている伝説の島になります。
そして、巡礼を目的に恋人とやってきた人々が船でこの島を去ろうとしている場面なんですね。
他の説では、描かれている島がシテール島ではなく、これからシテール島に向かおうとしているシーンなのではないか?とも言われています。
しかしながら、右端にヴィーナス像が描かれているので、この島がシテール島だという説の方が強いようです。
楽しい島での享楽が終わり、名残惜しいながらも船へと帰る人々がリズミカルに描かれています。
また、ヴァトーの特徴として物事の儚さ、幸せな時間が永遠には続かないという暗示を感じられる絵が多いことも特徴です。
他のロココの画家がただ楽しく、愛を謳歌した場面を描いているのに対して、そうした部分がヴァトーの特殊な点だともいえると思います。
まとめ
今回の記事ではロココ時代に活躍した画家「アントワーヌ・ヴァトー」について、彼の代表作と共に解説してみました。
ヴァトー非常に楽し気な絵を描いた画家ですが、その裏にある儚さをも同時に描いた人物だと思います。
ではでは今回はこの辺で!
また別の記事でお会いしましょう!
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