皆さん映画は好きですか?
僕は結構好きで、ゲオやらTUTAYAなんかでレンタルして観てます(映画館でも観ますよ)。
映画と言えば2016年~2017年にアニメ映画の「君の名は」が大ヒットしましたね。
シナリオやキャラクターについては多方面で語られていますので、僕は何も言及する気はありません。
個人的に、特に面白いと感じるのは新海誠監督作品の作画風景です。
「秒速5センチメートル」という作品が、初めて観た新海監督の作品なのですが(正確には「空のむこう、約束の場所」という作品をチラッと観たことはあった)、作画が凄いな!というのが第一の感想でした。
結構写実的な背景美術なんですが、ただ現実を写しただけではなく非現実感も同時に感じさせてくるのが面白かったんですね。
別に異世界や完全フィクションの世界を描いているわけでもないのに、ファンタジー感がすごく強いと言いますか・・。
そういった部分が気になって、以前「空の記憶」という新海誠監督の画集を買いました。
これまでの経歴や作画のプロセス、考え方などが掲載されていてとても面白い一冊でした。
もちろん作品も多く載っていて良かったです。
今回はそんな新海誠監督と、作品の制作風景などについても触れながら、感想等を書いていけたらなと思います。
アニメーションの作画や新海誠監督に興味のある方は是非読んでみて下さい!
目次
「君の名は」で大ブレイク!新海誠監督ってどんな方?
「君の名は」で大ブレイクした新海誠について、今更どんな方かなんて説明するまでもないかもしれませんが、一応詳しくない方に向けて書いてみようと思います。
「新海誠」監督の本名は「新津誠」さん。
アニメ映画には
2002年2月2日公開。上映時間25分。
・雲のむこう、約束の場所-The place promised in our early days
2004年11月20日公開。上映時間91分。
・秒速5センチメートル-a chain of short stories about their distance
2007年3月3日公開。上映時間63分。
・星を追う子ども-Children who Chase Lost Voices from Deep Below
2011年5月7日公開。上映時間116分。
・言の葉の庭
2013年5月31日公開。上映時間46分。
・君の名は-your name. 2016年8月26日公開。
上映時間107分。
などがあります。
もともと新海さんはゲーム会社の「日本ファルコム」の社員として働いていたようです。
当時、ゲームソフトのオープニングムービーやキャッチコピーの制作を行っていて、その傍らで自主制作のアニメーション作品を作っていたんですね。
当時の生活は深夜三時まで制作し、朝の六時に起床する多忙な毎日だったと言います。
そんな新海誠作品の特徴として、その世界、風景の描写の美しさや細かい描写が挙げられると思います。
現実世界を舞台にしていても、どこかファンタジーを感じさせる映像は「新海ワールド」なんて呼ばれているそうです。
どんな風に作画しているの??
僕は「秒速5センチメートル」をきっかけにして新海誠作品に興味を持ちました。
シナリオやキャラクターというよりは、その映像の美しさ、作画の緻密さに対して感動したのを覚えています。どうやって描いているのかな、というのが気になったので画集を買いました。
この画集は作品もたくさん載っているので、眺めるだけでももちろん楽しいのですが、個人的に一番楽しめたのは作画風景を公開しているコーナーでした。
ぼくはアニメ作品の背景美術にはめちゃくちゃ詳しいわけではなく、
「昔の作品はポスターカラーで紙に描いていて、今の背景はデジタルでPHOTOSHOPとかで描かれている・・はず!」
くらいの感覚でした。
だからこの画集を読んで心底楽しかったんです。
読んだ当時は全然知らなかった作画の世界を垣間見ることが出来たから。
新海誠監督による背景の作画
この「空の記憶」という画集には背景美術の作画プロセスが載っているのですが、この作画方法は初めて画集を読んだ頃の僕にとって非常に新鮮味がありました。
基本的に元の写真があり、photoshopで直接写真に描画、加工を施して一枚の背景を作っているんですね。
色々な作画方法を勉強した今なら、海外のコンセプトアーティストがよく使う手法の1つ「mattepainting」の技術だと理解できますが、初めて見た僕は、こんな作画があるのかと非常に驚きましたよ。
基本的なプロセスとしては
↓ ・写真に写っている不要な部分を消す ↓ ・全体の影色や落ちる影を描き込む ↓ ・空をグラデーションツールなどで描き込む ↓ ・ハイライトのディティールを描き込む
みたいなかんじで紹介されています(ワークショップで行われた制作の手順の様です)。
ただすべての背景がこのような方法で描かれているわけではないと本には書かれていました。
写真の撮影が難しい場所やアングルは、従来のような作画方法をとっているようですね。
3DCGを駆使したダイナミックな背景作画
この画集に載っていた特集で面白かった部分に、3DCGと従来の描画の手法を組み合わせてシーンを作る技術を紹介しているページがあります。
信濃毎日新聞のCMのワンシーンで使われた技術なのですが、ダイナミックな映像作りをするために色々と工夫がなされているんですね。
キャラクターの動きやカメラアングルを3DCGでテストした上で、描かれるモチーフのテクスチャは従来の手書き風のものを採用しているそうです。
全編3Ⅾでも全編手書きでもない、両方のメリットを活かすような現代のアニメーション制作の現場が垣間見れたような気がして、非常に面白いです。
新海誠風フィルター「Everfilter」騒動
「君の名は。」が流行ったことでその背景美術そっくりに写真を加工できるアプリが話題になりました。
そのなも「Everfilter」。
しかしその加工に新海さんの作品にでてくる空の画像が使われていたことが分かり、著作権問題となってしまったようです。
Everfilterの運営元は現在配信が停止され、ダウンロードはできません。
美しい新海誠作品のように写真を加工できるというコンセプトは良かったのかもしれませんけどね・・。
まとめ
今回はアニメーション映画監督の新海誠さんの作画について書いてみました。
「空の記憶」という画集には作品もたくさん載っていますし、作画のプロセスなんかも書いてあるので、興味のある方は読んでみると楽しいかと思いますよ!
おススメの一冊です!
ではでは今回はこの辺で!
また別の記事でお会いしましょう!
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