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素朴派とは?特徴や有名画家、作品を分かりやすく紹介します!

こんにちは!絵描きの岡部遼太郎です。

アクリル絵の具で描いた作品

 

皆さんは画家という職業にどんなイメージを持つことが多いでしょうか?
僕は美術を勉強し始めるまでは、特別な訓練や修行をたくさんこなしてきた職人のようなイメージを持っていました。

 

皆さんの中にもそういったイメージを持っている方はいるのではないかと思います。

もちろん多くの画家はそういう鍛錬を積んだ人たちが多いです。

 

しかし中には全く美術教育を受けずに、すばらしい作品を作り上げ画家として認められた人たちもいるんです。

そんな人たちの芸術が20世紀初頭に「素朴派」と名付けられ、芸術の世界に広まりました。

 

今回は「素朴派」について、どんな特徴があり、どんな画家がいたのかなどを分かりやすく紹介していければと思います。

素朴派について知りたい方は是非読んでみて下さいね!

素朴派とは?どんな特徴があるの?

まず素朴派の定義を挙げると

「美術の専門教育をほとんど、あるいは全く受けていない画家」

という事が言えるかと思います。
また専門教育を受けた上で、素朴派のような手法を取り入れた画家は疑似素朴派などと呼ばれたようです。

 

美術教育を受けていない芸術家というのは、もちろんそれ以前にも存在していました。
これは広い意味で捉えると、民族の伝統芸術なども指すことになります。

 

こうした芸術が認められたのが、20世紀に入ってからという事になるんですね。
ピカソが素朴派のルソーの才能に注目したことなどは今もエピソードとして残っています。

 

また、ほとんどの素朴派の画家は美術界の流行に影響されることは無く、逆に主流派の画家達が素朴派に影響を受けていたようです。

素朴派は題材選びも20世紀主流の画家達とは異なっていました。

 

多くの画家たちが題材に対する関心ではなく、形式や様式に興味を持っていたのに対して、素朴派は題材にたいして大きな関心をはらっていました。

自分の過去や生活などに由来する哀愁漂うものが多い傾向があるんですね。

 

技術的な面でいうと、美術教育を受けていないため遠近法も使われず、伝統的な構図も使われませんでした。

そのため、非常に直感的で大胆な構図の作品も多く、生命力あふれ無邪気さまで感じさせます。

 

では実際にどんな画家がいたのか、どんな作品があるのか見ていきましょう!

アンリ・ルソー

アンリ・ルソー(1844年5月21日 – 1910年9月2日)

ー年表ー
1844年:ラヴァルで生まれる
1863~67年:兵役につく
1868年:税関職員になる
1885年:アンデパンダン展に出品する
1893年:絵を描くために仕事をやめる
1905年:「飢えたライオン」を発表
1910年:死去

 

アンリ・ルソーは今でこそ素朴派の巨匠としてルーブル美術館に展示されていますが、生前は非常に軽んじられ評価されることがほとんどありませんでした。

 

ルソーは緑の生い茂るエキゾチックなジャングルの絵を描いていますが、実際にはパリから一度も離れたことはありません。
想像力を働かせて絵を描いていたのだと思います。

また彼は自分の才能を疑うことなく、毎年のようにアンデパンダン展に出品しました。

 

後にピカソやブランクーシによって評価されましたが、彼が望んでいた成功を生前に得ることは叶いませんでした。

ルソーの作品はシュルレアリスムを先取りしていたと言われることも多く、後世に大きな影響を与えました。

グランマ・モーゼス

グランマ・モーゼス(1860年9月7日 – 1961年12月13日)

ー年表ー
1860年:ニューヨーク州ワシントンで生まれる
1887年:結婚し、ヴァージニア州に移住
1905年:ニューヨーク州へ戻る
1939年:「現代アメリカ無名画家展」に出品
1940年:ニューヨークで個展開催
1961年:101歳で死去

 

長年農業を営んでいたグランマ・モーゼスが画家として活動し始めたのは75歳頃でした。

1927年に夫が亡くなると、刺繍画を始めたのですが直ぐに関節炎になってしまいます。

 

その後リハビリをかねて油絵を描き始めます。
当初は地元で人気が出るだけでしたが、1938年に収集家のルイス・カルドアに発掘されました。

翌年には「現代アメリカ無名画家展」で人気を博し、一躍人気画家になったんですね。

 

アメリカで知らない人はいないほど愛されている画家と言えます。

アルフレッド・ウォリス

アルフレッド・ウォリス(1855-1942年)

ー年表ー
1855年:港町のダヴェンポートで生まれる
1875年:結婚する
1980年:漁業をやめて、船具商を行う
1922年:絵を描き始める
1942年:死去

 

アルフレッド・ウォリスは60代の終わりから絵を描き始めましたが、それまでは漁業と船具商で生計を立てていました。

絵を描き始めたのは、妻が亡くなったことがきっかけだったそうです。

 

その素朴な作風は画家のベック・ニコルソンとクリストファー・ウッドの目に留まり、著名な画家や評論家に紹介されました。

1930年頃には英国の画家に影響を与えるほど有名になりましたが、ほとんど絵を売る事はせずに貧しいままだったそうです。

まとめ

今回の記事では「素朴派」とよばれる美術教育を受けていないにもかかわらず、大きな功績を残した画家を紹介してみました。

彼らの絵は、流行りや美術史とは一見関係ないように見えますが、芸術の本質的な部分をしっかりととらえている様に思います。

 

技術や潮流だけに流されないというのは大事な事だと思います。

ではでは今回はこの辺で!
また別の記事でお会いしましょう!

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ABOUT US
岡部遼太郎(おかべりょうたろう)
どうも!絵描きの岡部遼太郎です! 色々なギャラリーや百貨店の画廊などで作品を展示してます。 自分が今まで学んできたことを、絵を観るのが好きな人、絵を描くのが好きな人のために役立てることが出来ればと思っています。 最近は絵画教室の運営に力を入れていて、絵を描くスキルを身に付けたい!絵を描き始めたい!という方をバックアップしています。 よろしくお願いします^^