最近、絵の描き方を変えたりして色々チャレンジしています。
早速なのですが皆さんは「具象絵画」という言葉を知っていますか?
具象絵画と言うのは簡単に言ってしまえば、描くモチーフがある絵の事だといって良いと思います。
たとえば風景だったり、人物だったり、描かれているものが分かる絵の事ですね(もちろん何が描かれているのかわかりずらい具象絵画もありますけどね)。
今回はこの「具象絵画」について抽象絵画との違いや、具象絵画で有名な画家や作品を分かりやすく解説していこうと思います。
具象絵画について知りたい方は是非この記事を読んでみて下さいね!
具象絵画とは?抽象との違いや特徴を解説!
世界大戦後には主に抽象絵画が主流となり、発展していく事になりますが伝統的な具象絵画の画家達もいなくなってしまったわけではありません。
常に変化し続ける世界や状況を観て、それを果敢に描いていたんですね。
まず、先ほども描きましたが簡単に具象と違いについて書いてみようと思います。
過去の巨匠たちはまず間違いなく全てが具象絵画と言えるでしょう。
なぜなら人物画、静物画、風景画など形あるものを描いていたからです。
しかしながらこれらをわざわざ具象絵画と言うことは無かったんですね。
なぜなら具象であることが当たり前で、それまでは抽象絵画と言う概念そのものが無かったからです。
抽象絵画が登場してきたのは20世紀あたりになってからなので、抽象絵画に対してわざわざ具象絵画と言わざるおえなくなったということです。
アメリカでは1945年くらいから具象絵画の画家が現れてくるのですが、当時のアメリカでは「ミニマル・アート」や「ポップ・アート」、「コンセプチュアル・アート」に注目が集まり、彼らはほとんど無視されていました。
もちろんその後に評価はされていきますが、この時期に主流とは異なる具象絵画を描き続けた彼らは凄いなぁと僕は思います。
ではどんな画家や作家がいたのかを実際に見ていきましょう!
フランシス・ベーコン
フランシス・ベーコン(1909年10月28日 – 1992年4月28日)
ー年表ー
1914年:ダブリンからロンドンへ移住
1928年:インテリアの仕事を始める
1949年:有名な「叫ぶ教皇」シリーズを制作する
1954年:ヴェネチア・ビエンナーレで英国代表になる
1962~63年:ロンドンとニューヨークで回顧展を開催
1971年:パリで回顧展を開催
フランシス・ベーコンは20世紀のイギリスで最も有名な画家です。
孤独であったり恐怖などを表現するために歪んだ人物画を主に描いていました。
1945年に「キリスト磔刑図に基づく人物像習作」という、半人半獣の生き物が苦痛にもだえる恐ろしい絵を展覧会に出品しました。
この際はあまりいい評価を得ることはできなかったそうです。
ベーコンは具象絵画にこだわっていた画家で、写真にとった下絵をもとに描くことがほとんどでした。
写真に撮った対象を歪めたり、変形させて悪夢のようなイメージを作り上げるんですね。
そうした人物像は檻に入ったような構図のため、どこか孤立したような印象を受けるのも特徴の一つと言えるでしょう。
ルシアン・フロイド
ルシアン・フロイド(1922年12月8日 – 2011年7月20日)
ー年表ー
1933年:ナチスから逃れイギリスへ移住
1939年:イギリス国民となる
1941年:兵役を務める
1972年:母親を描き始める
1974年:初の回顧展を開催
2000~01年:エリザベス2世を描くが、マスコミからバッシングを受ける
2002年:ロンドンで回顧展を開く
ルシアン・フロイドは、心理学者として有名なジークムント・フロイトの孫に当たります。
彼は子供時代にナチスの亡命難民としてイギリスへ移住しました。
20世紀イギリスの具象画家として代表的な存在と言えると思います。
彼の初期作品は新古典主義の画家アングルのような、フラットで几帳面な画風でした。
1950年くらいになると作風が変わり始め、硬い豚毛で力強く絵の具を乗せた立体感の強い作品になっていきます。
1960年くらいになるとヌードを描くようになり始め、より荒く太いタッチで描くようになりました。
更に1970年半ばになるころにはクレムニツ・ホワイトと呼ばれるザラツキのある顔料を使い、肉体を力強く表現するようになるんです。
彼は肉体を描くことに非常に興味を持った画家で、顔は控えめに描くのが他の人物画家と違う点の1つと言えるかと思います。
アンドリュー・ワイエス
アンドリュー・ワイエス(1917年7月12日 – 2009年1月16日)
ー年表ー
1936年:最初の展覧会を開く
1948年:ニューヨーク近代美術館に作品を買い取られる
1963年:画家としては初の大統領自由勲章を受ける
1967年:ホイットニー美術館の展覧会で入場者数の新記録を更新
1987年:ワシントンD.C.で「ヘルガの連作」が展示される
ワイエスの父親は有名なイラストレーターで、ワイエス自身も著名な美術作家になりました。
代表作の「クリスティーナの世界」はアメリカにおいて20世紀美術の記念碑的作品として扱われています。
彼の作品は非常に手間と時間がかかるテンペラ技法によって成り立っていて、そうした作品により高い評価を得ることになりました。
多くが涼しい冬のような空気感で農家や納屋が描かれ、儚さを感じる作品が多いのもワイエスの特徴の一つと言えるかと思います。
まとめ
今回の記事では「具象絵画」が抽象絵画とどう違うのか、またどんな画家がいて、どんな作品を描いたのかを解説しました。
アメリカ文化を象徴するような抽象表現主義より、具象絵画の方が日本人には理解しやすいのではないかな~、と個人的には思っています。
ではでは今回はこの辺で!
また別の記事でお会いしましょう!
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