皆さんは印象派って知っていますか?
日本だと印象派って、分かりずらい美術史の中でも結構有名な時代、様式なのではないかな?と思います。
関連記事→[光と色彩]印象派とは?特徴や有名な画家や作品を簡単解説します!
そんな印象派ですが、大きく分けて最初の印象派、後から出てきた印象派の2つに分けられているんです。
それが今回紹介していく「新印象派主義・ポスト印象派」と呼ばれている形式になります。
分かりやすく特徴や有名な画家、作品などを解説していこうと思うので、是非読んでみて下さいね!
新印象派主義・ポスト印象派主義とは?どんな特徴があるの?
新印象派主義とポスト印象派主義というのは、どちらも印象派の延長線上に存在する美術の形式になります。
最初の印象派に限界を感じ、それを打ち破るために生まれてきたものだと思えばいいかと思います。
新印象派主義の代表的な画家として、点描画法を生み出したジョルジュ・スーラなどがいます。
ポスト印象派主義の代表だと、皆大好きファン・ゴッホなどが挙げられますね(みんな大好きかはわかりませんが・・)。
もともとこの「新印象派主義・ポスト印象派主義」という言葉は、1880年~1910年くらいの期間に起こった新しい美術の流れを指しているものです。
特定のグループや派閥を指しているものではないので、結構あいまいな部分もあると思います。
彼らが行ったのは、新しい色の使い方、いままでにない筆使いや題材選びの研究でした。
こうした新しい試みを通して個人の思想や感情などを表そうとしたんですね。
こうした活動は美術界に大きな影響を残したと言えます。
後に「表現主義」や「ナビ派」などの活動が生まれてきますが、そういった根底にあるのが「新印象派主義・ポスト印象派主義」だと言われています。
では実際にどんな画家がいてどんな作品を描いたのか見ていきましょう!
ジョルジュ・スーラ
ジョルジュ・スーラ(1859年12月2日 – 1891年3月29日)
ー年表ー
1876~79年:19歳でエコール・デ・ボザールに入学する
1884年:サロン・デザンデパンダンに出品する
1886年:代表作「グランド・ジャット島の日曜日の午後」を発表する
1887年:第1回新印象派主義展が開催される
1891年:死去
ジョルジュ・スーラの人生は短かったですが、後に大きな影響を残す画家であったことに間違いありません。
彼は美術の基礎を、パリにあるエコール・デ・ボザールで学びました。
そして新たな絵画理論を組み立て、印象派を次のステップへと進めたんですね。
スーラと言えば分割描法が代名詞といって過言ではないと思います(点描画法なんて呼び方もされています)。
これは補色(反対の色)の理論に基づいた技法でした。
原色を非常に小さなドットで描くことで、新しい視覚表現を生み出したんです。
また構図なども非常に入念に計画され、精密な下絵を用意してから描いていたようです。
ポール・セザンヌ
ポール・セザンヌ(1839年1月19日 – 1906年10月23日)
ー年表ー
1859~61年:エクス=アン=プロヴァンスで法律の勉強をする
1861年:20代になってからパリに出て画家になる
1873年:「オーヴェールの首吊りの家」を制作する
1895年:パリで個展を開き、高評価をされる
1906年:肺炎で死去
ポール・セザンヌはポスト印象派主義の画家です。
非常に大きな功績をのこし、「近代絵画の父」と呼ばれています。
銀行業を営む裕福な家に生まれ、法律の勉強をしていましたが画家の道へ進むことを選びました。
初期の絵は暗く厚塗りの物が多かったですが、画家ピサロの影響で明るく、軽やかな筆致へと移り変わっていきました。
印象派グループとも交流はあったようですが、感情的で社会的な人間とは言えなかったセザンヌはグループから追い出されてしまいます。
それでも独自の理論研究を続け、従来の遠近法や立体表現を用いずに色彩、奥行、立体感を表現する方法を編み出しました。
こうした研究は後のピカソなどのキュビズムなどへ影響を与えることになりました。
フィンセント・ファン・ゴッホ
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853年3月30日 – 1890年7月29日)
ー年表ー
1869年:画商のグーピル商会で働く
1876年:イングランドで教師と伝道師をする
1878~80年:デッサンの勉強を始める
1880年:画家になることを決める
1885年:初期の代表作「馬鈴薯を食べる人々」を制作する
1886年:パリへ移住
1888年:耳を切断する
1889年:精神病院に入院する
1890年:拳銃により自殺する
ゴッホは非常に強く画業に熱中した画家でした。
画家としての活動期間はほとんど10年くらいしか無かったにもかかわらず、1000点以上の作品を残しています。
とても強い色彩やタッチで自らの感情を描きました。
一般的には激しいイメージのある彼の絵ですが、僕は非常に正確なタッチの使い方、色彩の使われ方から逆に冷静で理性的な部分の方が印象としてあります。
また生涯、画家として生きていくために自殺するまで諦めずに描き続けた姿勢は、日本の画家が見習わなければいけない部分が多いように思えます。
ゴッホを引き合いに出して、芸術だから売れなくても良い、売れないのが芸術だと胡坐をかく絵描きは多いです。
しかし、死ぬまで必死で画家として売れようと描き続けた彼だからこそ、後世に感動を残し続ける作品が描けたのではないでしょうか、と僕は思っています。
まとめ
今回の記事では「新印象派主義・ポスト印象派主義」について、どんな画家がいたのか、どんな作品があるのか解説してみました。
初期の印象派から続く、新しい形の印象派は様々な画家がいて、作風もバリエーション豊かです。
きっと好きな画家がいると思いますよ。
ではでは今回はこの辺で!
また別の記事でお会いしましょう!
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