僕は最近ずっとアクリル絵の具で制作をしていたのですが、最近昔使っていた油絵の具をまた使ってみたいなあ、なんて思っています。
油絵の具独特の使い心地って結構楽しいんですよね。
さて、今回はそんな油絵の具を始めて絵画に使い始めたと言われている
「ファン・エイク」
という画家について分かりやすく紹介していきたいな、と思います!
油絵の具が好きな方や、ファン・エイクに興味のある方は是非読んでみて下さいね!
目次
ファン・エイクのプロフィール
1422年:ヤン・ファン・バイエルン宮廷で仕える
1425年:リール、ブリュージュへ、フィリップ善良公の従者として旅へ出る
1426年:「ヘントの祭壇画」制作中の兄、ヒューベルトが死去
1428~29年:フィリップ善良公から内命を受けてポルトガルへ旅に出る
1432年:「ヘントの祭壇画」を完成させる
1432年:代表作「アルノフィーニ夫妻」を制作
1441年:ブリュージュにて死去
ファン・エイクってどんな画家なの?
ファン・エイクという画家はかなり謎めいた部分の多い画家で、実際の詳しい部分は分かっていない部分も多く、特に若いころの活動についてはほとんど記録にないんですね。
しかし初期に写本画家の修業をしていたことは分かっているようです。
そうした修業時代を終えると、1425年頃からブルゴーニュのフィリップ善良公に仕え始めます。
ファン・エイクは生涯、宮廷画家として生活を送っていたんですね。
こうしたエリートコースは当時の画家としては珍しく、ほとんどの画家は画家組合に加入して親方を目指すのが一般的な生き方でした。
しかもファン・エイクには従者としての役割も与えられており、ただの宮廷画家よりも更に地位が高かったことが分かります。
それほどまでにフィリップ善良公はファン・エイクを高く評価していたということですね。
側近としての役目も与えられていたくらいですからね。
ファン・エイクはエリート中のエリート画家だったんですね!
ファン・エイクには実は画家の兄弟がいた!
ファン・エイクが手がけた祭壇画の中でも最大の作品と言われているのが「ゲントの祭壇画」という絵になります。
この作品には聖書の中の様々なシーンが描かれているのですが、実はこの作品ってファン・エイクが一人で描いたものではないんですよ!
実は兄のフーベルト・ファン・エイクとの共作なんです。
本当はフーベルトが描き始めるのですが、彼が完成させる前に亡くなってしまったんですね。
そこで弟のファン・エイクが仕事を引き継いで完成させたんです。
しかし、この兄のフーベルト・ファン・エイクという人物は弟以上に謎の多い画家で、存在しているのかどうかも怪しいと言われていたんです。
なんせ残した作品はこの「ゲントの祭壇画」のみですからね・・・。
現在は実際に存在した人物だということで議論は終結したようです。
「油絵」という革命を起こしたファン・エイク!
ファン・エイクの出身地はネールランドですが、この地域では北方ルネサンスと呼ばれるスタイルが生まれました。
イタリアルネッサンスの絵画と比べて非常に緻密で、技術的なレベルが高いのが特徴だと言えます。
そして、こうした緻密な絵画表現を行えるようになったのは、何を隠そうファン・エイクのおかげなんです!
それまで絵を描く際にはテンペラ絵の具という、卵に絵の具を溶かして描く絵の具を使うのが一般的でした。
このテンペラ絵の具というのは透明度が低いうえに、かなり乾くのが速かったのでグラデーションの表現や重ね描きに向いていませんでした。
ファン・エイクはこうしたデメリットを改善するために、油絵の具を開発したんです。
もちろん現在の油絵の具とは違う点も多いでしょうが、程よい乾燥スピードと、透明感のある絵の具として、現代の私たちにも脈々と受け継がれていますね!
ファン・エイク代表作「アルノルフィ二夫婦の肖像」の秘密
「アルノルフィ二夫婦の肖像」と呼ばれるこの作品は、ファン・エイクの代表作として非常に有名な作品です。
おそらく美術の教科書を開けば必ずと言っていいほどの確立で載っていると思います(笑)。
この絵は、大商人のアルノルフィ二夫婦が結婚の宣誓を行う場面を描いたものです。
この絵の中には、よく見ると婚礼を暗示するモチーフが多く描かれているんです。
例えば犬は愛の象徴だとされていますし、蠟燭などは結婚を暗示させるモチーフとして使われるものだそうです。
しかしこのモデルは実際のアルノルフィ二夫婦とは別人だという説も中にはあるそうですよ。
そして何といっても見どころなのは、この驚くほど緻密で繊細な描写ではないでしょうか。
油絵の具の特性を生かし切った質感の描写も見事です。
そうした細かい描写の巧みさを見ていると気づくことがあります。
この絵をよーく目を凝らして見てみると、画面中央の鏡の中に人物像が二人描かれているんです。
実はこのうちの一人がファン・エイク本人だと言われています。
壁には「ヤン・ファン・エイクここにあり」と書かれておりユーモアを感じられます。
まとめ
今回の記事ではファン・エイクという油絵を開発した画家について解説してみました。
ファンエイクがいなかったら、自分たちが油絵を使えていなかったかもしれないと考えると感慨深いものがあります・・。
ではでは今回はこの辺で!
また別の記事でお会いしましょう!
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