皆さんはアクリル絵の具の「メディウム」って知っていますか?
メディウムの意味を世界大百科事典で調べてみると
「絵具の使用者が好みによって,透明感や光沢の変更,絵具の増量,乾燥速度の調整などのために絵具に添加して用いる液体またはペースト状のもの。 」
とあります。
つまり分かりやすく言うと、加えることによって自分の使いやすいようにツヤ、硬さ、乾燥の速さnなどを変えることのできる材料なんですね。
どうでしょうか?
使いこなせれば、かなり便利そうじゃないですか?実際メディウムを使いこなせればみなさんの表現がより豊かなものになるのではないかと思います。
この記事では基本的なメディウムとそれらの使用方法を解説してみようと思います。
ではさっそく見ていきましょう!
どんな絵の具も透明に!「ジェルメディウム」
まずはじめに紹介するのはアクリル絵の具のメディウムの中でも一番メジャーだと思われる「ジェルメディウム」です。
ジェルメディウムはアクリル絵の具に混ぜることで透明感を強め、ツヤを強くします。
最近のアクリル絵の具は透明度に優れているので、わざわざ透明にするのにメディウムなんていらなくない?水を混ぜればよくない?と思われるかもしれません。
しかしジェルメディウムを使えば絵の具の硬さを保ったまま透明にできるというメリットがあります。
これなら厚塗りのタッチで絵の具を乗せながらも、下の層の絵の具を透かす事が出来たりするわけです。
もちろん使い方は他にも色々考えられるので工夫次第で表現の幅が広がりますね。
ちなみにジェルメディウムはアクリル絵の具を販売しているメーカーさんであれば、ほとんどが出しているので自分にあった物を見つければ良いかと思います。
絵の具を艶消しの質感に!「マットメディウム」
上記のジェルメディウムはツヤを出すことができて透明感もアップすることが出来ます。
しかし表現によってはアクリル絵の具独特のツヤを消して、マットな絵肌にしたいという方もいるのではないかと思います。
そんな方には同じく透明度を高くすることができて、なおかつ艶消しのマットな質感を得ることのできるマットメディウムがあるのでそちらがおススメです。
こちらのマットメディウムもジェルメデ
ィウム同様に色々なメーカーが出しております。
グラデーションが簡単に!?「リターダーメディウム」
こちらはメーカーによって若干呼称は異なりますがリターダーやリターディングなどと呼ばれているメディウムです。
絵の具に少量(製品によって推奨の割合は異なる)を混ぜることで、絵の具の乾燥を遅らせることができます。
このメディウムを使えば絵の具のグラデーションを比較的簡単に作ることができます。
アクリル絵の具の乾燥が速すぎてぼかしがうまくできないと悩んでいる方はこのメディウムを使ってみることをオススメします。
もちろん絵の具を拭き取って使ったり色々な用途に応用できるので、自分の行いたい表現に応用していくと良いと思いますよ。
まとめ
もっとも基本的で使う頻度が高いであろう三種類のメディウムを紹介してみました。
メディウムは各社が色々な種類を出していて画材屋さんで見ているだけで結構楽しいです。
特にリキテックス社のメディウムのレパートリーは見ていて飽きません(笑)。
関連記事:[解説]アクリル絵の具のちょっと変わったメディウムを紹介!
ただ特殊な効果のものほど、実際に表現の中に組み入れるのが難しかったりするものです。
作品を見たときに「あの会社の、~メディウムを使っているんだね」みたいにすぐに種がわかってしまうと逆につまらなく見えてしまうからです。
もちろん作品の表現としてうまく取り入れるとメディウムは素晴らしい材料になると思いますので、色々試してみることが重要ですね。
ではでは今回はこのへんで!
また別の記事でお会いしましょう!
✅電子書籍「絵の仕事で生活するためのロードマップガイド」
✅ビデオ講座「アクリル画技法無料講座」