こんにちは!岡部です。
今回は、
「アクリル絵の具がひび割れした時に
見直すべき部分とは?」
というテーマでお話ししていきます。
これは以前いただいた質問で、
「アクリル絵の具で描いた絵がひび割れを
してしまいました!
何が悪かったんでしょうか?」
という内容のものでした。
実はこの質問の失敗というのは僕自身も
以前に経験済みです。
10年以上アクリル絵の具で絵を描いてきて
いるので、
色々な失敗は経験済みです。
この無数の失敗のおかげで
ほとんどのトラブルの原因は分かるという
感じです。
そしてこれは明らかに原因がはっきりしている
のでここを解説していこうと思います。
結構この失敗は色々な人がする部分でも
あるので、
今回の話を聞くことで同じ失敗を確実に
回避できるので是非聞いてみてください。
では早速始めていきましょう。
目次
ひび割れの原因は選んでいるアクリル絵の具にあり
まず結論としてアクリル絵の具で描いた絵
などがひび割れする時の原因は、
もうこの1つにほぼ限られます。
「それアクリル絵の具じゃないですよ・・」
これですね。
はい、ほとんどの人がアクリル絵の具だと
思って使っているものがアクリル絵の具では
ない場合が多いということです。
じゃあなんなのか?というと
「アクリルガッシュ」という絵の具ですね。
アクリルガッシュはアクリル絵の具と
違いますよ、ということなんです。
僕は絵画教室などもやっていて結構
間違える人が多い部分なので、
何度か言っている部分でもあるのですが、
これはいまだに多いミスですね。
アクリル絵の具買ったんです!って言って
アクリルガッシュを見せられるという感じ
です。
で、このアクリルガッシュを使うと
かなりひび割れが起こりやすくなります。
では何故ひび割れが起こりやすいのか、
アクリル絵の具とどう違うのか?
どうすれば良いのか?などについて
お話ししていきます。
アクリルガッシュ絵の具はなぜひび割れてしまう?
で、なぜアクリル絵の具はひび割れないのに
アクリルガッシュはひび割れるの?という
部分についてお話ししていこうと思います。
これは結論から言うと
「アクリル樹脂の分量が少ないから」
なんですね。
アクリル樹脂の分量が少ないことによって
アクリル絵の具ほどの柔軟性が無く、
アクリルガッシュはすこし表面が曲がったり
した時に割れてしまったり・・ということが
起こりがちです。
なので絵を描くのには向いていないのです。
いちいち表面がひび割れてしまうかも・・
と心配しながら絵は描けないし、
保存するときも非常に保存しづらいという
ことになってしまいます。
なので絵を描く人はガッシュは選ばない方が
無難なのです。
【ひび割れ】アクリル絵の具とアクリルガッシュの違い
アクリル絵の具とアクリルガッシュの
割れやすさの違いという部分について
話しましたが、
他にも結構違いはあります。
それが、
「色の耐久性」と「透明性」の違いです。
これも絵を描いていく時には大きな違いに
なります。
アクリルガッシュはアクリル絵の具に
比べて色の耐久性が低いです。
つまり変色を起こしやすいということですね。
これもアクリル樹脂が少ないために起こる
問題です。
といっても顔料で作ってあるので、
染料系のインクなどと比べるとそこまで
変化は激しくないです。
ただ長い目で見るとアクリル絵の具より
劣る、と言う感じですね。
あとは透明性にも大きな違いがあります。
透明じゃないので透明性を活かした描き方
というのがアクリル絵の具と違い出来ません。
例えば白黒で描いたリンゴの絵に
アクリル絵の具で赤い透明色をかけると
下のディティールが透けて見えるので
赤いリンゴの絵がかけたりします。
これは古くから使われている
「グレーズ」という描画技術なのですが、
アクリルガッシュは不透明で下の層が
透けないのでこのような技法は使えない
んですね。
ひび割れるし耐久性が低いアクリルガッシュ絵の具は使わない方が良いの?
で、この話をすると
アクリルガッシュに存在価値は無いんですか?
と言われます。
しかし決してそんなことはありません。
僕は昔、美術予備校のデザイン科に通って
いましたが、
その時はアクリルガッシュを使っていました。
デザイン科であればアクリルガッシュで
全然良いし、むしろその方が良いんです。
何故なら安いですし、
そもそも原画として価値のあるものとして
描いているわけでは無いからです。
僕が使うのをオススメしないのは
あくまで保存する必要性のある原画の
場合のみです。
絵画とかそういうものですね。
デザイン画やポスターなどは正直コピーして
使うものなので原画の必要性は低く、
後から使うわけでも無いのでガッシュの方が
安いし良いわけです。
ここは完全に何のために描くか?という部分
を意識して選べば問題ないです。
【ひび割れしても良い場合】おすすめのアクリルガッシュ絵の具は?
ここまでで、
アクリル絵の具がひび割れした時に
見直すべき部分という内容でお話ししました。
原画が必要な絵以外であればガッシュでも
全然良いという部分も重要なところです。
ここからは、少しこの内容を掘り下げて
「おすすめのアクリルガッシュ」についても
少し解説を加えておこうかなと思います。
ガッシュでも全然良いという方にとっては
必要な情報かもしれませんからね。
いくつか候補があるので、
僕も使ってきた使いやすいものも含めて
紹介していきますね。
オススメのアクリルガッシュ絵の具①ターナー
最初に紹介するのがターナーの
アクリルガッシュですね。
これは使っている人がかなり多く、
僕も昔使っていたアクリルガッシュです。
おそらくシェア的にもかなり大部分を
占めていると思います。
デザイン科で勉強していた時は
皆んなターナーのを使ってましたからね。
実際使いやすくかなりマットな質感
です。
デザイン画を描くときやポスターを描く時は
これがあったら困らないでしょう。
オススメのアクリルガッシュ絵の具②ホルベイン
次にホルベインのガッシュです。
これも僕は実際に使っていましたが、
個人的にはターナーのガッシュよりも少し
アクリル絵の具に近いような使い心地の
印象がありました。
実際成分的にどんな違いがあるのか、
という部分までは細かくはわからないですが
結構使いやすいのでオススメですね。
またホルベイン製なのでメディウム類も
揃っていて表現に幅を出したい時は、
こうした部分のアイテムも利用すると
良いですね。
オススメのアクリルガッシュ絵の具③リキテックス
さて、次がリキテックスのガッシュです。
「ガッシュ・アクリリック プラス」という
製品名ですが、
このガッシュは他のものとは少し異なります。
というのも、
商品の売りとして「ひび割れにくい」
というのを売りにしているんですね。
そして耐光性も高く、
色あせ等もほとんどないらしいです。
なので普通のガッシュよりも
良い品質のガッシュを使いたいという方は
リキテックスのものを選ぶのもアリかも
しれません。
まとめ
今回はひび割れしやすいアクリルガッシュに
ついてのお話をしてきました。
実際のところ、原画などには使いづらいで
すが、用途を限定して使うのであれば
全然使っていくことはできます。
特に最近のリキテックスのガッシュなどは
ひび割れなどもしにくいようなので、
試してみるのもアリですね。
では今回はここまで。
今日も元気に頑張っていきましょう!
ばいばい!
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