いきなりですが皆さんは絵を描き始めるときに、紙やキャンバスなどにそのまま描き始めていませんか?
最近の市販キャンバスは最初から下地処理が施されているので、そこまで心配する必要はないかもしれません。
しかし支持体が紙、キャンバス又は板に限らず下地処理をすることで絵肌を自分好みにすることができるのです。
吸収性を変化させることも出来るので、描き心地も変化させることができます。
絵の具を乗せて描く前にほんのひと工夫するだけで、あなたの絵がさらに魅力的になるかも!
そんな下地材の、基本的に知っておくべきだとおもう事をまとめてみようと思います。
今回は
・ジェッソ ・モデリングペースト
のアクリル系下地を2つ紹介していきます。
目次
平滑にするのに便利な「ジェッソ」
今1番一般的に使われている下地材が「ジェッソ」ではないかと思います。
ジェッソはもともとイタリア語のGesso(ゲッソ)で、本来は石膏地を指す言葉でした。
最近は下地材全般をジェッソと言うようになりました。
成分はアクリル樹脂エマルジョンをバインダーにしており、チタニウムホワイトが顔料として使われているものが多いです。
アクリル絵の具を販売しているメーカーのほとんどがジェッソを売り出しているので画材店に行けば簡単に見つかると思います。
ではさっそく特徴を見ていきましょう!
平滑な地を作りやすい
ジェッソはとても削りやすく塗った後にヤスリをかけて研磨することで、平滑な地を作ることができます。
精密な描き込みをしたいときにとても便利です。
厚く塗ると乾燥に必要な時間が増えてしまう上に削りにくくなってしまうので、なるべく薄い層を何層か重ねた上でヤスリで削りましょう。
4回5回くらい重ねて削ると、だいぶ平滑になると思います。
薄めて使う場合が原液に20パーセントくらいの水を加えて、刷毛で塗っていきましょう。
塗る方向を、層を重ねるたびに変えるとキャンバスの目が消しやすいです。(縦方向→横方向→縦方向→繰り返し)
少し難易度は上がりますが、ナイフで原液をキャンバスに乗せていくやり方もあります。こちらのほうが速く平滑に出来、手間はかかりません。
コツとしてはキャンバスの目をに強くナイフを当てて、ジェッソをかきとるようにして、なるべく厚みがでないように薄く塗るとうまくいきます。
色々な絵の具の下地に使える
この下地の上にはアクリル絵の具、油絵の具、水彩絵の具などほとんどの絵の具を乗せることが出来るので、とても便利です。
またジェッソ地は絵の具の吸収性が良くなるので、水彩絵の具のような水を含ませて使うような技法を試したいときには良いかもしれません。(紙ほどは吸収しませんが。)
逆に吸収しすぎて困るときはジェルメディウムを薄くといて画面にぬると、アクリル樹脂の層が一層出来るので吸収を抑えることができます。
個人的なおすすめはホルベインのジェッソ
自分が普段使っているジェッソはホルベインのジェッソになります。
意外とジェッソってメーカー毎に質感や使い心地が違うんですよね。
いくつか使い比べをしたのですがホルベインのジェッソは
・乾燥が速い
・石膏地に近いかんじで吸収が良い
ような印象を受けました。
ここはそれぞれの使い方や表現によって感覚が違うと思うので、いくつか試してみるのも良いかもしれません。
モデリングペースト
モデリングペーストも下地材として、とてもよく使われています。
どんな風に使えるのか見てみましょう!
ジェッソとくらべて固い!
ジェッソが平滑の地に向いていたのに対して、モデリングペーストはタッチや盛り上げを活かした表現に向いています。
モデリングペーストをチューブからパレットに出すと、ジェッソのように液体状になっておらず物質感があると思います。
この部質感をいかしてナイフや筆でタッチをつけると乾燥後もそのタッチが残ってくれるんですね。
また少し薄めてローラーで塗るとザラザラしたマチエールを作ることができます。(僕の予備校時代にやってるひとが沢山いました笑。)
工夫して使えばおもしろい表現ができるかもしれませんね。
アクリルや水彩のマチエール補助に
ジェッソと同じくモデリングペーストも油絵の具、アクリル絵の具、水彩絵の具など色々な絵の具の下地材として使えます。
しかし油絵の具を使う場合などは、絵の具自体でマチエールを十分に作れるので、下地でやりすぎると油絵の具のタッチの邪魔になってしまうかもしれませんね。
逆に絵の具自体でタッチを活かしたマチエールが作りにくいアクリル絵の具や水彩絵の具に対しては、補助的に使いやすいかもしれません。
アクリル絵の具ならモデリングペーストを直接混ぜることも出来るので、盛り上げたい時などには、そういった使い方もアリかもしれないですね。
まとめ
今回は下地材について基本的なことを書いてみました。
下地材は初心者の頃に結構楽しく色々楽しめる部分じゃないかと思います。色々盛り上げてみたり削ってみたり・・(笑)。
色々な表現を試すことは失敗しても経験値になるので、是非チャレンジしてみましょう!
では今回はこのへんで!
またほかの記事でお会いしましょう!
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