こんにちは!!
早速ですが、皆さんはアクリル絵の具で描いた絵の保存ってどのように行っていますか?
制作が終わって完成した作品の保存って適当だったりしませんか?
もしそうだとしたらかなりもったいないです!
どんな画材で描いた絵でもそうですが同じ絵というのは二度と描くことはできません。
今の自分にしか描けない絵・・・それをきちんと保存することは大事なことです。
かといって意外と保存の方法論とかって語られていないんですよね。。
なので今回は「アクリル画の保存方法」について
・ニスかけ
・梱包
の2つの観点から僕のやり方などを含めて紹介していこうかなと思います。
ニスがけをしてみよう
いきなりですがニスがけって結構大事だと思っています。
なので僕は作品が完成したら毎回ニスをかけるようにしてます。ざっくり言うと以下の二点のために行っています。
・ツヤの調整
・作品の保護
です。
まずはこの2点について書いてみます。
ツヤの調整
これは保護の観点からは少しずれるのですが大事なことなので喋らせてください(笑)。
まず前提なのですがアナログ作品とデジタル作品の違いって何だと思いますか?
僕が一番に感じる違いって、
「物」であるか「情報」であるか
の違いです。
物として強い、ということはアナログで作品を作る、また見せるというという行為において非常に重要な要素だと思います。
実際、美術館やギャラリーに行って絵を見るときって、表面に描かれたモチーフの情報だけでなく、絵の具のツヤや厚みなど物質としての魅力も同時に感じていると思うんです。
ちなみに僕は古典絵画の重厚な質感や透明感のある艶やかな表面が好きでたまりません(笑)逆にもっとフラットでマットな質感の絵も魅力があると思います。
絵には色々な質感があり、作る人によって人千差万別だと思います。
この要素を決めていくのにニスは重要な役割を担っているんです。
ニスを厚く塗るのか、逆に薄く塗るのか・・
または凄くツヤがあるのか、もしくはマットな艶消しなのか・・・
その人の好みや考えによってニスを使いこなせば、グッと作品はその人の個性に繋がっていくと思います。
作品の保護
これがメインなのに質感についての文章が長くなってしまいました💦
ニスにおいて重要な役割として表面保護があります。完成した絵の具面の上に樹脂をかけて傷などから保護するわけですね。
あと最近は紫外線をカットできる物も売られているので、そういったものも保護の観点からはオススメできます。
また考えなくてはいけない要素として
「絵の具層」を除去してしまうことなく「ニス層」を除去することができるのか
という点があります。
修復のお仕事をされている方の中にはアクリル画はニスをかけるべきではないという方もいらっしゃるようです。
これは上記の理由かららしいのですが、
最近リキテックス社のプライムシリーズのニスの表記を見ると
「 リキテックス プライム専用バーニッシュリムーバーで、除去することが可能。」
と表記がありました。
なので僕は最近このニスを使っていますよ。
これなら絵の具層にダメージを与えずにニス層を除去できそうです。ちなみにこの製品UVカット効果付きです。
梱包について
梱包と書くとちょっと大げさかもしれませんが、要は保管するときにニスの層を含めて傷つかないように保護しようということです。
アクリル絵の具の管理の難しい部分として
アクリルの表面同士をくっつけたままにすると、その部分が同化して剥がせなくなる
という点があります。僕は実際これでダメにした絵が何枚かあります。(時間かけた絵がダメになるのはつらい・・・。)
なので絵の表面は他の絵やアクリル素材の物が触らないようにカバーをしておくことをオススメします。
そこで使えるアイテムがこれです。
「クッツカーネ」(商品名)
です。
これを表面に巻いて置けばくっつかねー訳です(苦笑。
この製品は剥離剤というシールを剥がしたあとのツルツルの面でできています。なので樹脂面とくっつけても大丈夫なんですね。
かなり便利!!おすすめ!
まとめ
保存するために自分がやっている事を思い出しながら書いてみました。
もしこの知識が誰かのために役立てば、保存に失敗して亡骸となった僕の絵も浮かばれるでしょう・・(笑)
ではでは!!また次の記事でお会いしましょう!!
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