皆さんは古典絵画や彫刻というとどんな作品を思い浮かべますか?
美術作品には古典と名前の付いているものが非常に多いので、人によって様々かと思います。
今回の記事では「ルネサンス美術」を紹介しようと思っているのですが、これも古典と言えると思います。
しかし、ルネサンス美術はオリジナルの古典作品ではなく、ギリシャやローマ時代の古典作品を模したものなんです。
古典芸術の始まりギリシャ、ローマ時代の作品で、それのリバイバルが今回解説していくルネサンス美術というわけです。
そんなルネサンス美術の特徴や巨匠達を解説していきますので、興味のある方は是非読んでみて下さいね!
ルネサンス時代の美術とは?
まず、ルネサンスという言葉についてなのですが「再生」という意味があります。
これは先ほど少し説明したのですが、古代ギリシャ、ローマ時代の芸術のリバイバル、つまり古典の再生という事なんですね。
またこの時代は、キリスト教が圧倒的な勢力を持っていました。
そのため絵の題材は宗教的なものがほとんどだったようです。
パトロンの多くはこうしてテーマの作品を収集し、私室に飾るなどして楽しんでいたんですね。
そしてこのルネサンス時代で大きな変革といえるのが油絵の具が使われるようになったという事です。
これによってそれ以前の作品と比べて、かなり写実的な表現が可能になったんです。
また絵の具だけでなく、理論的な遠近法が発明されたのもルネンサンス時代です。
数学的に奥行や比率が作られることが行われました。
このように色々な試みや実験が行われたルネサンス時代ですが、実際にどのような画家がいてどんな作品が生み出されたのかを見ていきましょう!
サンドロ・ボッティチェリ
サンドロ・ボッティチェッリ(1445年3月1日 – 1510年5月17日)
ー年表ー
1445年:フィレンツェにて生まれる
1459年:フィリッポ・リッピの弟子になる
1470年:フィレンツェで工房を開く
1478年:代表作「春(ラ・プリマヴェーラ)」を完成させる
1481~82年:ローマのシスティーナ礼拝堂で制作する
1485年:「ヴィーナスの誕生」を完成させる
1510年:死去
サンドロ・ボッティチェッリは最盛期に非常に大きな成功を収めた画家です。
後にレオナルドダヴィンチのような画家が出てくると、時代遅れの画家とみなされてしまいましたが、大きな功績を残したことに変わりありません。
500年後のラファエル前派の時代に再発見され、現在は15世紀の画家の中で大きな評価を受けている人物です。
関連記事→ラファエル前派とは?特徴や有名画家と作品を分かりやすく解説
また、非宗教的な作風で知られているボッティチェッリは神話画の「春(ラ・プリマヴェーラ)」や「ヴィーナスの誕生」を宗教画と同じくらいの密度で仕上げています。
しかし晩年には宗教画を多く手掛けるなど、多くのテーマを扱った画家でもあります。
レオナルド・ダ・ヴィンチ
レオナルド・ダ・ヴィンチ (1452年4月15日 – 1519年5月2日(ユリウス暦))
ー年表ー
1452年:ヴィンチ村で生まれる
1472年:ヴェロッキオ工房での修行期間を終える
1482年:ミラノへ移住
1495~98年:「最後の晩餐」を描く
1499年:ミラノを離れる
1500~08年:フィレンツェで制作活動を行う
1503~05年:「モナ・リザ」を描く
1513年:ローマへ移住
1516~17年:フランスへ赴く
1519年:死去
レオナルド・ダ・ヴィンチは知らない人がいないほど有名な画家ですね。
あらゆる分野に長けた万能の天才と呼ばれていて、特に芸術と科学に多くの功績を残しました。
非常に移り気な性格だったらしく、現在に残っている作品はわずかです。
それでも多くの画家に影響を与える存在なんですね。
また、油絵の具を使った繊細な陰影表現で彼の右に出る者はおらず、非常に高いテクニックの持ち主でした。
一時的に貧乏な時期もあったとされているようですが、ミラノやフィレンツェでキャリアを重ね、成功した画家と言えるでしょう。
ミケランジェロ
ミケランジェロ・ブオナローティ(1475年3月6日 – 1564年2月18日)
ー年表ー
1475年:フィレンツェの下級貴族のもとに生まれる
1488年:ギルランダイオの工房でフレスコ画を習得する
1501~04年:「ダヴィデ」を制作
1505年:教皇ユリウス二世墓地の彫像の制作依頼を受ける
1508~12年:システィーナ礼拝堂の天井画を制作
1534年:ローマに移住
1536~41年:システィーナ礼拝堂に「最後の審判」を描く
1546年:サン・ピエトロ大聖堂の建築家に任命される
1564年:死去
88年間の長い人生の中でミケランジェロは多くの傑作を残していきました。
生きているうちから非常に高い評価を受け、ヨーロッパ最高の芸術家とされていました。
絵画や素描、建築など多くのジャンルで活躍しましたが、本人は本業を彫刻家として考えていました。
非常にストイックな人物として記録が残っていて、大きな名声を得た後も質素な暮らしを送り、自らの人生を信仰と芸術に捧げたそうです。
また、寝る間も惜しんで働いたミケランジェロは長靴を履いたまま寝る毎日を送るほどに制作に打ち込んでいたとされています。
当時から現在まで多くの影響を与え続けている芸術家です。
まとめ
今回の記事ではルネサンス時代の美術がどんなものだったのか、どんな芸術家がいたのかということについて書いてみました。
この時代は美術史の大きな転換点ともいえるほど重要な時代だと思います。
そして、今も語り継がれる偉大な芸術家が多く誕生しました。
ではでは今回はこの辺で!
また別の記事でお会いしましょう!
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