展示作品の締め切りが迫ってくると、ろくにご飯も食べずに制作しているので栄養不足感が否めない今日この頃です(笑)。
サプリメントとか買ってビタミン採った方が良いのかな~、なんて思っていますがどうなんでしょうね・・。
さてさて、話は変わりますが皆さんはテンペラ絵の具って知っていますか?
卵を使った絵の具の事です。
このテンペラを使ってルネサンス期の巨匠となった
「ボッティチェリ」
という画家がいるのですが、今回はこの巨匠についてどんな人物だったのか、どんな作品が作られたのかという事を分かりやすく解説していこうと思います!
テンペラ画が好きな方やボッティチェリの作品に興味のある方は、是非読んでみて下さいね!
ボッティチェリのプロフィール
生没・・・1445年3月1日 – 1510年5月
出身地・・・フィレンツェ共和国
活躍した地域・・・フィレンツェ
作品様式・・・初期ルネサンス
師匠・・・フィリッポ・リッピ
家族・・・独身で三人の兄がいる
ボッティチェリってどんな画家?
ボッティチェリという画家は波乱万丈の人生を歩んだ画家だったと言えると思います。
彼は画家人生の前半は非常に華やかな生活を送っていました。
権力のある貴族や有力者から多くの制作依頼を受けるなど、とても人気のある有名画家として人生を歩んでいました。
肖像画をはじめ、神話をテーマにした作品などを得意としたボッティチェリは次々と制作を行っていきました。
特に有名なのはフィレンツェのメディチ家に注目されたことによって、ローマ皇帝から仕事を請け負った事ではないかと思います。
システィーナ礼拝堂のフレスコ画がそれに当たります。
この頃は彼の画家としての絶頂期でもあり、有名な「春(プリマベーラ)」や「ヴィーナスの誕生」を生み出したのもこの時期でした。
しかし、輝かしい人生は長くは続きませんでした。
ボッティチェリが50歳くらいになる頃に転機が訪れてしまうのです。
彼を支えていたメディチ家が異教として、ドミニコ会の修道士「サヴォナローラ」に糾弾されてしまうんですね。
この影響で神権政治が始まり、ボッティチェリの絵は次第に暗いものになっていきます。
その後は宮廷画家にもなれず、トラブルに巻き込まれ続け貧困生活を送るようになってしまいます。
亡くなった時の姿はかつて栄光を極めた画家とは思えないものだったそうです。
ボッティチェリを支えた「メディチ家」とは?
先ほども出てきた「メディチ家」という存在ですが、このメディチ家とはどんなものだったのか、少し解説を入れたいと思います。
ボッティチェリの活躍したフィレンツェはルネサンスの中心地だったといって過言ではありません。
ここでルネサンス芸術が発展したんですね。
そして、この発展に大きく貢献したのが「メディチ家」でした。
当時、「コジモ・デ・メディチ」というメディチ家の人間が、フィレンツェの支配者としての地位を獲得していたんです。
それから60年にわたりメディチ家の権力が続きました。
この間、メディチ家の当主達は才能のある芸術家たちのパトロンとなり続けてきたんです。
ちなみにボッティチェリの師匠であったフィリッポ・リッピを支えたのもメディチ家初代当主のコジモ・デ・メディチでした。
この時代に数々の芸術があるのはメディチ家のおかげだと言っても過言でないと思います。
「春」(プリマヴェーラ)とボッティチェリ
ボッティチェリの代表作として有名な一枚が、上の「春」(プリマヴェーラ)ではないかと思います。
この絵の中には数々の女神が描かれています。
中央にいるのがヴィーナスです。
そしてその左で手を繋いで輪を作っている三人が三美神「愛・貞節・美」です。
そして、右側にいる二人は実は同一人物です。
西風の精ゼフゥロスに息を吹きかけられたクロリスが花の女神「フローラ」へと変身するシーンなんですね(セーラームーン的な・・)。
また、この絵はメディチ家一族の「ロレンツォ・ディ・ピエルフランチェスコ」という人物の結婚祝いに描かれたものだと言われています。
寝室の隣の部屋に飾られていたらしいです。
そして実は当時、絵の題材として神話が扱われる事はほとんどありませんでした。
かなり画期的な事をボッティチェリは行っていて、神話画という新しいジャンルを開拓した人物だとも言えるんです。
もう一つの有名な作品として「ヴィーナスの誕生」という作品があります。
1485年頃に描かれた作品で、現在はウフィツィ美術館に収蔵されています。
先ほどの「春」(プリマヴェーラ)にも言える事ですが、ボッティチェリの作品は遠近法やリアルな明暗法は重視されていません。
こうしたことからボッティチェリが写実性にこだわっていなかったことが分かります。
かなり細かい線描によって髪の毛が一本一本表現されていたり、流麗で美しい仕事に重きを置いていたのだと思います。
写実性よりも叙情性や文学性を優先していたからこその表現ですね。
まとめ
今回の記事ではルネサンスの巨匠として有名な「ボッティチェリ」について解説してみました。
非常に細かくて繊細な表現は、どれくらいの集中量や忍耐が必要だったんだろうと妄想せずにはいられませんね。
ではでは今回はこの辺で!
また別の記事でお会いしましょう!
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