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さて、皆さんは「コンセプチュアル・アート」と言う言葉を聞いたことがありますか?
美大生や美大生志望の方なら一度は耳にしたことのあるかもしれないですね。
逆にあまり美術に触れる機会のない方には、あまり聞き慣れない言葉なのではないかと思います。
今回の記事ではこの「コンセプチュアル・アート」について、特徴から有名アーティストとその作品を分かりやすく紹介していこうと思います。
コンセプチュアル・アートについて知りたい方は是非読んでみて下さいね!
コンセプチュアル・アートとは?どんな特徴があるの?
コンセプチュアル・アートの作品は、物としての作品そのものというよりは背後のある思想やメッセージなどが重要であることが多いです。
マルセル・デュシャンが最初にそうした作品の前例を作りましたが、それが美術の歴史の中で一つのジャンルとして認められたのは1960年代あたりになります。
それがこのコンセプチュアル・アートなんですね。
コンセプチュアル・アートはそれまでの美術作品のように美しいものやハンドメイドの物ではなく、あくまで知的な刺激を求めるための物だという点が特徴と言えるかもしれません。
「美的刺激」から「知的刺激」を楽しむものになったという事です。
またそれらの作品は、伝統的な絵画や彫刻などの手法だけではなく、「活動」、「行為」自体を発表するという手段によっても生み出されました。
では実際にどんなアーティストが、どういう作品を作ったのかなども観てみましょう!
ヨーゼフ・ボイス
ヨーゼフ・ボイス(1921年5月12日-1986年1月23日)
ー年表ー
1921年:北西ドイツで誕生する
1940年:空軍で兵役を務める
1943年:飛行機事故に遭う
1945年:捕虜収容所で暮らす
1946~51年:美術アカデミーで彫刻を学ぶ
1961年:美術の教鞭をとる
1979年:ニューヨークで回顧展を開催
ヨーゼフ・ボイスはカリスマ性に溢れ、型破りな芸術家だったと言えます。
アーティストの中でも政治に関心を持ち、又そうしたアーティストの先駆的な存在でもありました。
自らの作品、芸術活動を「社会彫刻」とネーミングし、政治活動に対しても自ら積極的に関わっていったんです。
彼の作品は彫刻やインスタレーション作品がメインです。
ぼろ布や石、食物、銅、ガラクタなどの素材を意図的に使って、制作されています。
名声が高まるにつれて作品の規模も大きくなり、部屋の大きさほどのインスタレーションを行ったり、更には美術館からはみ出るほどの作品も作ったんです。
彼が芸術家として凄い所は、作品のみではなくパフォーマンスや公開討論政治キャンペーンなどを行い、そうした活動を通してコミュニケーションをするという考え方自体を広めた、と言う部分にあります。
こうした理由で彼の作品は彫刻などではない「活動」や、「行為」そのものである場合も非常に多くあるんですね。
ピエロ・マンゾーニ
ピエロ・マンゾーニ(1933年7月13日-1963年2月6日)
ー年表ー
1951~55年:風景画を描き始める
1956年:ペンチ、ハサミ、鍵などをキャンバスに押し付ける作品を制作
1957年:「無彩色」と呼ばれる作品を制作。ミラノで初めての個展を開催
1963年:死去
ピエロ・マンゾーニは、コンセプチュアル・アーティストとしてミラノを中心にして活躍しました。
保守的な美術に対して強く反発したアーティストで、芸術家自体の役割に対して疑問を投げかけた人物です。
彼はあらゆるものが芸術になるとして、例えば人間にサインを書いて作品にしたり、人間の糞を缶詰めに入れて作品にするなどしました。
また、この時代は「抽象表現主義」や「ミニマル・アート」が主流となっていた時代なので、そうした作品、アーティストを嘲笑するような作品も制作しています。
更には、風船を膨らませて台座にくっつけた後に空気を抜くという行為で、膨らみ過ぎた美術業界を比喩する作品も作りました。
この作品は「芸術家の呼吸」というタイトルが付けられています。
マルセル・ブロータス
マルセル・ブロータス(1924年1月28日 – 1976年1月28日)
ー年表ー
1940年:詩人になる
1957年:映画作品「時計の鍵」を制作
1963年:アーティストになる事を決意する
1964年:初めての個展を開催する
1968年:ブリュッセルの自宅に美術館を設立
1972年:266点のオブジェをデュッセルドルフ市立美術館に展示
マルセル・ブロータスは最初に詩人として活動をしていました。
しかしながら、40歳ころにアーティストに転身し短い期間ではありましたが、芸術の世界に対して大きな影響を及ぼしました。
彼は現代のおいての美術館の立ち位置がどういったものなのか、また美術作品は民衆に対してどう発表されるべきなのかという問題に対して取り組んだんですね。
ブロータスは1968年にブリュッセルの自宅一階を、「現代美術館」に改装しました。
そこで行われた最初の展覧会は、ブリュッセル王立美術館から木枠を持ってきて、ルーブル美術館の絵画の絵ハガキと一緒に展示する、という内容の物でした。
その作品には、美術史の中の名作とそれをコピーしたお土産の違いがどこにあるのかと言う疑問を投げかけるためのものでした。
また1974年には「農場の動物」という作品を制作します。
これは自動車の名前を張り付けた様々なタイプの牛が描かれていて、当時の教育ポスターのパロディとして作られたものだそうです。
まとめ
今回の記事では「コンセプチュアル・アート」についての特徴や、有名アーティストと作品について解説してみました。
一見すると訳の分からない作品が多いですが、当時の社会や文化の状況から紐解いてみると、「そういう意味があるのか!」と楽しめるのではないかと思います。
ではでは今回はこの辺で!
また別の記事でお会いしましょう!
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