こんにちは!岡部です。
今回は、
「模写をする時はどこまでやるべき?
完全に似せないといけないの?」
というテーマでお話ししていこうと思います。
これは以前生徒さんから頂いた質問です。
その方は模写を絵のレベルを上げるために
行なっていたのですが、
どこまでやるべきかとか完全に似せないと
いけないのか?などが気になったようです。
ブログやメルマガを読んでくれている人の中には
絵を上達させたいという方が非常に多いので
シェアしていこうと思います。
僕自身はデッサン、素描などはかなり模写を
していて
一時期、数ヶ月間は毎日10枚以上模写を
するだけの生活を送ったりしていました。
その中で学んだことや、
画力を向上させるきっかけになったことなど
たくさんあるので是非参考にして欲しいと
思います。
この話を聞けば模写をどのようにするべきか、
何に気をつけると意味のある模写になるかが
分かると思うので是非お付き合いください。
目次
模写の目的をはっきりさせる
で、結論から言ってしまいますが
模写をする場合は「目的」をはっきりさせる
ことが非常に大切になってきます。
ここをはっきりさせないと模写をすること
自体が目的になってしまうので注意が
必要です。
模写をするのはあくまで上達するため、
知識を深めるため、スキルを上げるため
だと思います。
模写はあくまでその手段です。
なのでこの根本的な部分は最初にしっかり
させておく必要があるんですね。
目的がないと完全に似せないといけないのか?
とかどこまで描けば良いのか?など
迷ってしまいます。
細かい目的というのは人それぞれで、
正解というのはありません。
ここでは少し具体例を挙げながら、
「模写の目的」という部分について
解説していこうと思います。
模写の目的例①デッサン力を上げるため
まず目的の1つとして人によっては
デッサン力を上げたいからという人も
いるかもしれませんね。
そうした場合、どのように模写に
取り組むのがいいのかと悩む人も
いると思います。
僕はデッサン力、クロッキー力などの
素描の鍛錬を模写で行うというのには
大賛成な人間です。
というのも自分が全くデッサンが
できない時に悩んでいた時に実際に
練習に取り入れて上手くいったのが
模写だったんですね。
当時はデッサン力がなくて悩んでいたので
どうにかしないとアカンな・・とは
思っていたのですが、方法については
かなり迷っていました。
本も色々買ったし、色々な練習方法も
試したりしていたんですね。
そんな中で行き着いたのが模写でした。
デッサン力を上げるために模写をする場合は
とにかくたくさん描くことが大事になります。
例えば1枚15分とか時間を決めて
ドンドン書いていくという感じです。
なので完全に似せようとか完成させようとか
いう風に意識しなくても良いです。
1日に何枚も書いてそのうち1枚でも良いもの
があれば儲けものくらいのイメージで
大丈夫ですね。
そんなに1枚1枚拘りすぎずに全体感を
意識して書いていけると良いです。
あとは小さな紙には描かないことですね。
大きな木炭紙大のクロッキー帳などに
木炭で描くことをお勧めします。
そうすることで全体のバランス感覚を
養うことが効率的に出来ます。
模写の目的例②技法を学ぶため
模写の目的の1つに技法を学ぶというのも
あると思います。
つまり描き方のロジックの部分です。
絵の具の重ね方、筆の使い方、
どんな画材を使うのか・・・など
本当に色々な事柄が技法には含まれて
いるので非常に複雑な部分ですね。
こうした部分も模写によって学べます。
海外だと美術館に許可を取ることで
名画を見ながら模写することも出来るらしく
こうしたことをする人の目的はおそらく
技法を学ぶことなのかなと思いますね。
どういう感じで絵の具が乗っているのか、
どんな風に重ねているのかが分かりやすい
ので、こうした学び方も有効です。
最近だとSNSなどのプラットフォームでも
手軽に動画が扱えるようになり、
模写も非常に効果の出る形で行えるように
なりました。
僕の運営している絵画教室もこうした
動画形式の学び方を導入しています。
キャンバスを作るところから一緒に
進めていくので、
「技法の模写」とある意味言えるかも
しれないですね。
模写の目的例③色使いを学ぶため
次に「色の使い方」を学ぶために
模写をするということもあります。
僕の場合は色彩センスが無かったので
色の配置関係なども徹底的に本を読んだり
模写もしたりして学びました。
どういった色の組み合わせだと
絵が綺麗に見えるのか?とか、
上手くいく色彩のロジックなどを
学んだんですね。
こうした部分は才能とかセンスがないと
出来ないと思い込んでいる人もいますが、
全くそんなことはありません。
実際色の綺麗さなどは配置や組み合わせで
ある程度言葉で説明できる部分でも
あります。
なので、自分が綺麗な色だと感じる絵から
色の配置や面積比などの組み合わせを
割り出していくというの方法も地道ですが
勉強になります。
この場合細部とかは気にせずに、
パレットで色を混色してキャンバスに
色面的に乗せていくだけでも勉強に
なります。
これも是非挑戦してみて欲しい方法に
なりますね。
また色彩の本などもたくさん出版されて
いるので、そうした部分も参考にしても
いいかもしれません。
何を模写したらいいのか分からない
ここまでで模写の目的という部分について
お話ししてきました。
しかし、そうは言っても何を模写すれば
良いのか分からん!という人もいるかも
しれません。
たしかに模写が非常に良い学習方法だと
分かっていたとしても、
いざやろうとなると何を対象に選べば
良いのかというのは悩みどころだと思います。
なのでこの選び方というのも少し解説を
加えておこうと思います。
まずこの選び方というのは
「自分が目指す方向」や「憧れ」というのを
軸にして選べば良いと思います。
例えば自分が「この人はすごく色の使い方が
上手いな。」と思えばまずはその人が
どのような色の組み合わせで絵を
描いているのかを知ることが大事になります。
なのでその部分を学ぶために一度模写を
してみるとか、そんな感じですね。
技法的な面でも一緒で、
技術的に憧れる人がいるのであれば
その人の絵の描き方がどうなっているのかを
模写して研究するのも良いと思います。
ただ絵を描き始めたばかりの人だと
どういう絵の具の重なりで成り立っているのか
どういう手順で描いているのかを
絵を見ただけで知るのは難しいと思います。
なのでできれば動画等のメディアを使って
学んでいけると良いですね。
デッサン等でも好みはあると思うので
自分が素直に好きだと思える画家から選ぶのも
良いと思います。
ただデッサンなどの場合だとあまり描き込み
過ぎているものよりは、
どちらかというと描きどころと手を抜くところ
のバランスが上手い人を参考にした方が
勉強にはなりやすいです。
描き込みは突き詰めると写真のような
感じになってしまうので、
あくまで全体感を学ぶとかであれば
そんなに描き込み過ぎていない方が
勉強には向いているかもしれない
ということです。
個人的にはルーベンスのデッサンなんかが
1番バランスが良くて学習には最適かなと
思います。
もし迷っている人がいれば
是非取り組んでみてください。
模写はどれくらいの期間やるべきか?
ここまでで、
模写をする時はどこまでやるべき?
というテーマで目的別に何をするべきか
何を意識しないといけないのかなど
お話ししてきました。
ここからは少し掘り下げて、
模写をする期間や時期というテーマについて
もお話ししていこうと思います。
つまりどのくらいの期間やるべきかとか
そういうことについてですね。
これっていうのも結構聞かれる質問です。
で、これに関して結論から言うと
これも「目的」ありきで、
目的を達成出来たらその時点でやめてOKです。
先ほども言った通り、
あくまで模写というのは目的があって
取り組むものですから、
そこがクリアできた時点で辞めるというのは
とても当たり前の考え方だと思います。
ここが模写自体が目的になってしまうと
ずっとやってなきゃいけない!みたいに
なってしまうので注意が必要ですね。
例えばデッサンの感覚を掴むのが目的であれば
全体感を捉えられるようになったら終わりで
良いんです。
色を学びたくて模写をやる人は
色の組み合わせや使い方などが自分で
腑に落ちたらやめればいいです。
やめどころもあくまで目的次第という
ことですね。
自分が目的を達成出来たか確かめる方法
で、中には自分がちゃんと正しく学べたのか、
目的を達成出来たのか分からないという
ひともいると思います。
つまり自分では学べたと思っているけど
本当に力やスキル、知識が正しく身についたか
分からないということですね。
これは確かにその通りで
本当に自分が成長したのかというのは
主観では計りづらいものだったりします。
こうした場合は自分以外の自分より
レベルの高いと思える人に聞くのが
良いと思います。
僕であれば模写をやっていた期間が
長かったですが、
やめるときは自分の先生に自分が成長できた
のか?ということを確認したのちにやめました。
自分は前より理解が深まったと自信を
もって次のステップに進めるので、
メンタル的な意味でも人に意見を求めるのは
良いことなんじゃないかなと思います。
まとめ
さて今回は、模写の目的をしっかり定める
ということと、
そこから掘り下げて模写のやめ時という部分
についてもお話ししてきました。
模写で絵を学ぶという人は多いので
是非参考になると嬉しいです。
では今回はここまでです。
今日も元気に頑張っていきましょう!
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