以前「解説!販売されている絵画の種類の違いは何?」という記事の中で原画、版画、ポスターの違いについて解説しました。
意外と絵を買う方のなかでも、この違いを知らない人はいます。
なので分かりやすく解説できたらいいなと思ったわけです。
今回はその流れで
「絵画を買う場所はどのような所があるのか?」
というお話をしてみようかと思います。
皆さんは絵画(原画)を買える場所ってどんな場所があるのかご存知ですか?
先に答えを言ってしまうと、
・ギャラリー(企画)
・ギャラリー(貸し)
・インターネットの販売サイト
などの種類があります。
この記事ではあくまで原画の販売をしている場所の解説をしていこうと思います(ポスターなどは除きます)。
・絵を飾りたいけど買う場所が分からない。
・それぞれの場所でどんな特徴があるのか知りたい。
そういった方はこの記事を是非参考にしてもらえばと思いますよ。
アート、美術に触れる一つのきっかけになれれば幸いです。
百貨店の画廊の特徴は?
先ほど絵画を買う場所には
・企画ギャラリー
・貸しギャラリー
・インターネットの販売サイト
という大体4つの種類があると言いました。
「百貨店の画廊」というのはこの中でも一番流通量、販売量、実績が多い場所です。
日本のアート市場の9割以上が、この百貨店画廊で占められているというデータをよく美術雑誌では見かけます。
関連記事→アート,芸術系の雑誌を読むならこれ!美術好きがおススメする3選!
なのですが・・・結構百貨店の画廊って敷居が高いような感じがしませんか(笑)?
実際僕も自分がそうした場所で展示をするまでは、なんだか入りづらい場所だなー、なんて感じていました。
もしかしたら最近までは本当に入りづらい場所だったのかもしれません。
しかし最近は百貨店画廊が若手を扱うようになり、敷居がグンと下がっているような気がします。
なぜ若手を扱うと入りやすい場所になるのかというと
・若手の作品は単価が低く、買いやすい値段だから
・買いやすい値段だと売れる作品数も多く、来場者も多いので入りやすい
という理由があるのではないかと思います。
いままでは非常に高額な美術品(数百万、数千万)を少ない数売っていたのが、若手の参入により安いものを多く売るというモデルが登場したという感じですね。
企画ギャラリー
「企画ギャラリー」(コマーシャルギャラリーという呼び方もする)というのは、作家の展示を企画し作品を販売することで利益を得るタイプのギャラリーです。
基本的に後に説明する「貸しギャラリー」との違いは作家目線からのものであり、絵画を買う側からしたら違いはほとんどないと思います。
また、整然とした雰囲気の場所が最近は多く、百貨店の画廊よりは入りやすいのではないかと思います(笑)。
ギャラリーによっても異なりますが、若手起用がメインのギャラリーも多く、そういった場合作品の値段はそこまで高くはありません。
基本的に大家(物故など)の高額な美術品の取引は、百貨店で行われることが多いようです。
気になる作家が展示をしている場合などにいくと良いかもしれませんね。
貸しギャラリー
日本の多くの展覧会はこの「貸しギャラリー」と呼ばれる場所で行われています。
こちらは先ほどの「企画ギャラリー」と違い、作家が企画(展示)をしたいとギャラリーに申し込み、場所をお金で借りて展示をするという形態になっています。
先ほども書きましたが、あくまでこれはどう展示するかという作家視点の違いなので買う側からしたら違いはあまり無いかと思います。
買う側からした違いを見つけるのだとしたら、作品の値段が安い傾向があるという事が挙げられると思います。
これはあくまで傾向の話で、全てに当てはまるわけではありません。
しかし基本的に貸しギャラリーは、スペース代で賄われていて作品の値段設定は作家側が自由に行える場合が多いです。
なので作品の安く設定されていることもあるというわけですね。
ちなみにこうした形態の画廊は日本特有のものらしいです(海外で活動している日本人画家に聞きました)。
海外(欧米)では展示は企画のものがほとんどということですね。
また、「ギャラリー、画廊」という名称は付いていますが、基本的に美術のビジネスではなく、貸しスペースという不動産業ビジネスの類と言えるかと思います。
インターネットのショップ
これは画廊とは全く異なりますが、絵を買える環境の1つとして存在しています。
「アートメーター」なんかが有名なのではないでしょうか?
特徴として
・作家の顔がよくわからない
・実物を見れない
といった点が挙げられるかと思います。
順番に解説していくとまず「安い」という特徴が挙げられます。
こういったサイトは作家が作品を登録して出品するのですが、ほとんどがかなりの低価格で設定されています。
作家側が値段を決めるのですが、かなり安くしても売れるかどうか難しい所なので低めになってしまっているのではないかと思います。
また「作家の顔が見えない」というのもありますね。
画廊だと作家がいる場合もあります。
作品を買う際は、作家と話をして
・どういった意図で制作しているのか
・どうやって描いているのか
・どのくらいの期間で制作しているのか
など話を聞いてから購入するという事が可能なんですね。
インターネットショップの類は作家とコンタクトを取るのが難しい(ショップが仲介する)ので深く理解して購入することが難しいです。
あとは「実物が見れない」というのもあります。
画廊ならば当然実物を観ることが出来ますが、インターネットでは実物を確認することが出来ません。
画像のみで判断することになります。
まとめ
今回の記事では
・百貨店の画廊
・企画ギャラリー
・貸しギャラリー
・インターネットの販売サイト
の4つについて、その特徴を解説してみました。
もし絵を買う方法や場所が分からないという方がいて、この記事が参考になれば幸いです。
ではでは今回はこの辺で!
また別の記事でお会いしましょう!
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